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アトピー性皮膚炎とIgE~その関係を知ろう~

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アトピー性皮膚炎とIgE~その関係を知ろう~

こんにちは!やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は「アトピー性皮膚炎」と「IgE(アイジーイー)」の関係についてお話しします。

アトピー性皮膚炎がどのようにして起こるのか、そしてIgEがどんな役割を持っているのか、一緒に考えてみましょう。

アトピー性皮膚炎ってなに?

アトピー性皮膚炎は、皮膚がかゆくなったり、赤くなったりする慢性的な(まんせいてきな)炎症です。

特に、アレルギー体質の人や家族にアレルギーがある人に多く見られます。

こんな特徴があります:

  • 皮膚が乾燥しやすい:バリア機能が弱く、外からの刺激を受けやすい。
  • かゆみが強い:夜間にかゆみがひどくなることもあります。
  • 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す:季節や環境によって症状が変わることがあります。

IgEってなに?

IgE(アイジーイー)は、体の中でアレルギー反応を引き起こす抗体(こうたい)の一つです。

アトピー性皮膚炎の人では、IgEが通常よりも高いことが多く、これがかゆみや炎症に関係していると考えられています。

IgEは、体に花粉やダニ、食べ物などの「アレルゲン」が入ると反応し、かゆみの元となる物質を放出する仕組みを持っています。

このため、IgEが高いと症状が悪化しやすいのです。

どんな治療があるの?

アトピー性皮膚炎の治療では、IgEを含むアレルギー反応を抑えたり、皮膚を保護したりすることが重要です。

  • 保湿:皮膚を保湿して乾燥を防ぐことで、刺激を減らします。
  • ステロイド外用薬:炎症を抑えるための塗り薬です。
  • 抗アレルギー薬:IgEの働きを抑え、かゆみを軽くする飲み薬です。
  • 生物学的製剤(デュピクセントなど):IgEや炎症を抑えるための新しい注射薬です。
  • 生活環境の見直し:ダニや花粉などのアレルゲンを減らすことで症状を和らげます。

みんなに知ってほしいこと

アトピー性皮膚炎は、自分に合った治療や生活環境の工夫でコントロールすることができます。

IgEが高い場合は、アレルギーの関与が強い可能性があるため、専門医に相談することが大切です。

症状が気になる方や治療について知りたい方は、ぜひクリニックでご相談くださいね。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。