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肥満と喘息の関係について:患者さんの体験談

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肥満と喘息の関係について:患者さんの体験談

みなさん、こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は、喘息と肥満の関係についてお話ししたいと思います。

多くの喘息患者さんを診療していると、薬だけではなく、ご自身の努力で症状が明らかに改善するケースを目にします。

その一つの例として、ある患者さんの体験をご紹介します。

ダイエットで息切れが改善した患者さんの体験

その患者さんは、長年喘息による息切れに悩まされていました。

薬物療法を続けてもなかなか改善せず、日常生活にも支障をきたしていました。

私が「もしかしたら体重が影響しているのではないか」とアドバイスし、患者さんは自発的にダイエットを始めました。

数ヶ月にわたる努力の結果、体重が減少し、驚くほど息切れの症状が改善しました。

これは、下記のエビデンス以外にのど周りの脂肪や気管支周囲の脂肪が減ったことで、呼吸が楽になった可能性があります。

肥満と喘息のエビデンス

実際に、肥満と喘息の関連性については多くの研究が行われています。

肥満は気道の炎症を増加させ、気道を狭くする可能性があります。

また、脂肪細胞から分泌される炎症性物質が喘息の症状を悪化させるとも言われています。

  • 気道過敏性の増加:肥満により気道が過敏になり、喘息発作を起こしやすくなります。
  • 呼吸機能の低下:過剰な体重が肺や胸郭に負担をかけ、正常な呼吸を妨げます。
  • 炎症性サイトカインの増加:脂肪組織から放出される物質が全身の炎症反応を促進します。

自身の努力で喘息をコントロール

薬物療法は喘息管理の基本ですが、それだけでは十分でない場合もあります。

生活習慣の見直し適切な体重管理は、症状改善に大きく寄与します。

  • バランスの取れた食事:抗炎症作用のある食品を積極的に摂りましょう。
  • 適度な運動:無理のない範囲で体を動かし、体重を管理します。
  • 禁煙:喫煙は気道に悪影響を与えます。

まとめ

肥満と喘息には密接な関係があり、自身の努力で症状を改善できる可能性があります。

薬だけに頼らず、生活習慣を見直すことで、より良い日常生活を送ることができます。

何かご不明な点やご相談がありましたら、遠慮なく当クリニックまでお越しください。

一緒に最適な治療法を見つけていきましょう。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。