「実はアトピー?」子供のころから乾燥肌で悩んでいるあなたへ
こんにちは!やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
今日は「子供のころから皮膚が乾燥してガサガサしているけど、実はアトピーだったかも?」という方に向けてお話しします。
もしかすると、皮膚の調子が悪い原因がアトピー性皮膚炎かもしれません。
子供のころから乾燥肌がひどいのはなぜ?
皮膚が乾燥しやすいのは、皮膚の「バリア機能」が弱いからです。
バリア機能は、皮膚の表面を守る役割をしていますが、これが弱いと、外からの刺激を受けやすくなり、乾燥したり、かゆくなったりします。
「ずっと乾燥肌だから、これが普通」と思っている方でも、アトピー性皮膚炎が隠れていることがあります。
アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
アトピー性皮膚炎は、次のような特徴があります。
- 皮膚が乾燥してガサガサする:特に、肘や膝の裏、首の周りがカサつくことが多いです。
- かゆみが強い:夜にかゆくて眠れないこともあります。
- 季節や体調で悪化する:乾燥する冬やストレスがたまったときに悪化しやすいです。
「実はアトピー」かも?こんなサインに注意
次のようなサインがあれば、アトピー性皮膚炎の可能性があります。
- 保湿しても乾燥が良くならない
- 子供のころから皮膚の調子が悪い
- かゆみで無意識に皮膚をかいてしまう
- 家族にアレルギーやアトピーの人がいる
もしこれらに当てはまることがあれば、皮膚科で相談することをおすすめします。
アトピー性皮膚炎の検査
アトピー性皮膚炎かどうかを確認するために、次のような検査を行うことがあります。
- 血液検査:IgE(アイジーイー)という抗体の量を測ります。高い場合、アレルギーが関与している可能性が高くなります。
- 皮膚の状態の観察:乾燥や赤み、かゆみのある部分を詳しくチェックします。
- アレルゲン検査:アレルギーの原因となる物質(ダニ、花粉、食べ物など)を調べます。
これらの検査を組み合わせることで、適切な治療法を見つけることができます。
どうやって治療するの?
アトピー性皮膚炎の治療は、症状を抑えて皮膚を健康に保つことが目的です。次のような方法があります。
- 保湿ケア:毎日しっかり保湿して、皮膚のバリア機能をサポートします。
- ステロイド外用薬や抗炎症薬:炎症やかゆみを抑える塗り薬を使います。
- 抗アレルギー薬:体の中からかゆみを抑える飲み薬を使うこともあります。
- 生活環境の改善:ダニや花粉などのアレルゲンを減らすことで症状を和らげます。
- 新しい治療法:例えば、デュピクセントのような生物学的製剤が重症の場合に使われます。
みんなに知ってほしいこと
子供のころから乾燥肌で悩んでいる方は、実はアトピー性皮膚炎の可能性があるかもしれません。
正しい診断と治療を受ければ、症状をコントロールして快適に過ごせます。
「これは普通だから」とあきらめず、皮膚科で診察を受けてみてくださいね。
少しのケアや治療で大きく改善することがあります。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼