インフルエンザ後に咳が長引くとき
インフルエンザは毎年流行するウイルス感染症で、突然の高熱や筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などが特徴的です。
通常、数日から1週間程度で症状が収まりますが、感染後に咳が長引くケースがあります。
この咳は体力を消耗させるだけでなく、日常生活の妨げにもなるため注意が必要です。
咳が長引く原因
インフルエンザ後の咳が続く理由はさまざまです。
- 気道の過敏症: ウイルス感染による気道の炎症が完全に治らず、過敏な状態が続くことがあります。冷たい空気やほこりなどの刺激で咳が出ることがよくあります。
- 細菌感染の重複: インフルエンザで免疫力が低下しているときに、細菌感染(肺炎など)が重なり、咳が悪化する場合があります。
- 咳喘息の誘発: インフルエンザが引き金となり、咳喘息を発症することがあります。これは気道が炎症によって狭くなることで引き起こされます。
- 免疫反応の影響: インフルエンザ後、免疫反応が持続して気道に影響を与え、長引く咳を引き起こすことがあります。
どんな症状が注意すべき?
インフルエンザ後の咳が次のような症状を伴う場合は、早めの受診をお勧めします。
- 咳が3週間以上続いている
- 夜間や朝方に咳が悪化する
- 息苦しさや胸の痛みを感じる
- 痰に血が混じる
- 発熱が再発する
受診時に役立つ情報
診察をスムーズに進めるため、以下の情報を記録しておくと役立ちます。
- 咳が始まった時期と経過
- 咳の出方(乾いた咳、湿った咳など)
- 痰の色や量
- 発熱や倦怠感の有無
- 既往歴や服用中の薬
治療とセルフケア
インフルエンザ後の咳を改善するために、呼吸器内科では次のような治療やアドバイスを行います。
- 吸入療法: 気道の炎症を抑えるための吸入ステロイドや気管支拡張剤を使用します。
- 感染症の治療: 細菌感染が疑われる場合、抗生物質を処方します。
- 生活環境の改善: 室内の乾燥を防ぐために加湿器を使用し、適切な湿度を保ちます。
- 水分補給: 水分をしっかり摂取することで、喉や気道を潤し、咳を和らげます。
まとめ
インフルエンザ後に咳が長引くことは珍しくありませんが、適切な治療とケアで改善が可能です。
「この咳、いつ治るのだろう?」と不安を感じたら、お気軽にご相談ください。皆さんの症状に合わせた治療方法をご提案します。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼