COVID-19感染後に咳が長引くとき
新型コロナウイルス(COVID-19)は、風邪のような軽症から重症の肺炎まで、幅広い症状を引き起こす感染症です。
感染から回復した後も、咳が長引くことが報告されています。
特に「ロングCOVID」と呼ばれる後遺症の一環として、咳が続く場合があります。
咳が長引く原因
COVID-19感染後の咳が続く理由は以下のようなものがあります。
- 気道の炎症の持続: ウイルス感染による気道のダメージが残り、炎症が続くことで咳が出る場合があります。
- 気管支の過敏症: 気道が過敏になり、冷たい空気や粉塵などの刺激で咳が誘発されやすくなります。
- 呼吸器疾患の悪化: 既存の喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)がCOVID-19感染をきっかけに悪化することがあります。
- 免疫反応の持続: 免疫システムが過剰反応し続けることで、咳が長引く場合があります。
- 重複感染: 他のウイルスや細菌感染が重なり、咳が悪化している可能性もあります。
どんな症状が注意すべき?
COVID-19感染後、次のような症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
- 咳が3週間以上続いている
- 夜間や朝方に咳が悪化する
- 息切れや胸の違和感がある
- 痰に血が混じる
- 倦怠感や発熱が再発する
受診時に役立つ情報
診察をスムーズに進めるため、以下の情報を記録しておくと役立ちます。
- 咳が始まった時期と経過
- 咳の性質(乾いた咳、湿った咳など)
- 痰の色や量
- 息苦しさや呼吸音の有無
- 既往歴や服用中の薬
治療とセルフケア
COVID-19感染後の咳を改善するために、呼吸器内科では次のような治療やアドバイスを行います。
- 吸入療法: 気道の炎症を抑える吸入ステロイドや気管支拡張剤を使用します。
- 生活環境の調整: 加湿器を活用して室内の湿度を保ち、乾燥を防ぎます。
- 水分補給: 水分をしっかり摂取することで、気道の粘膜を保護します。
- 運動と呼吸リハビリ: 呼吸筋を鍛える軽い運動や、呼吸リハビリを取り入れることで改善が期待できます。
まとめ
COVID-19感染後に咳が長引くことは珍しくありませんが、適切な治療を受けることで改善が可能です。
咳が続いて日常生活に支障が出ている方は、ぜひ一度ご相談ください。
お一人おひとりの症状に合わせた治療をご提案します。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼