喘息とアレルギー:カンジダがもたらす影響について

喘息とアレルギー:カンジダがもたらす影響について

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は、喘息とアレルギーの関係について、特に「カンジダ」という真菌(カビ)の一種が喘息や関連する病態に与える影響についてお話ししたいと思います。

カンジダとは?

カンジダは、自然界や人間の体内(特に口腔や消化管、皮膚)に存在する真菌です。

通常は無害ですが、免疫が低下したり、特定の条件が揃ったりすると、感染症やアレルギーを引き起こすことがあります。

喘息患者にとっては、このカンジダがアレルギー反応や喘息の悪化の一因となることがあります。

カンジダが喘息を悪化させる理由

  • アレルギー反応の引き金:カンジダはその成分がアレルゲンとなり、喘息患者の気道で炎症を引き起こします。
  • 気道の過敏性を増加:カンジダに対する過剰な免疫応答が、気道の過敏性を高め、喘息症状を悪化させる可能性があります。
  • 慢性炎症の原因:カンジダが持続的に存在することで、気道に慢性的な炎症が引き起こされることがあります。

カンジダとアレルギー性疾患

喘息患者の中には、カンジダに対するアレルギー感受性が高い方がいます。

これにより、以下のような症状や問題が発生することがあります。

  • 喘息発作の増加:カンジダに曝露された際、喘息発作の頻度が高まる可能性があります。
  • 口腔カンジダ症:吸入ステロイドを使用している場合、カンジダが口腔内で増殖し、炎症や痛みを引き起こすことがあります。
  • 消化器症状:場合によっては、消化管でのカンジダ感染が症状の悪化につながることもあります。

カンジダと重症喘息のリスク

カンジダへのアレルギー反応を持つ喘息患者は、重症喘息に進行するリスクが高いことが指摘されています。

その理由としては以下が挙げられます。

  • 免疫応答の過剰性:カンジダに対する免疫反応が過剰になり、気道の炎症が慢性化することがあります。
  • 気道の構造的変化:持続的な炎症が気管支のリモデリングを引き起こし、喘息の管理が難しくなることがあります。
  • 研究の根拠:カンジダアレルギーを持つ患者では、血中IgE値の上昇や気道好酸球数の増加が見られることが報告されています。

どう予防すれば良い?

カンジダに対するアレルギーを予防することは難しいですが、以下の対策を取ることで影響を軽減できます。

  • 吸入ステロイド使用後のうがい:吸入後に十分なうがいをすることで、カンジダの増殖を防ぐことができます。
  • 口腔ケアの徹底:歯磨きや口内洗浄を心がけることで、カンジダが繁殖しにくい環境を作ることが重要です。
  • 定期的な検診:口腔内や気道の状態を確認するために定期的に医師の診察を受けましょう。

カンジダとの向き合い方

喘息はさまざまな要因で悪化しますが、カンジダのような真菌による影響は、日常生活の工夫と医療機関での適切な治療でコントロール可能です。

特にカンジダによるアレルギーが疑われる場合は、専門医に相談することをおすすめします。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、喘息治療やアレルギー検査も行っています。

気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。