好きな人生を生きることの大切さ 〜80代男性の幸せな日常〜
先日、80代の通院中の男性患者さんが娘さんと一緒に来院されました。
娘さんはお父さんの健康をとても心配されており、「お酒を飲んでいるけど大丈夫でしょうか?」と質問されました。
理由を尋ねると、どうやらお父さんはお酒を飲むと顔が真っ赤になるとのことでした。
しかし、診察してみると、患者さん本人はいたって元気そのもの。
当院では呼吸器疾患や脂質異常症の治療を続けており、整形外科でも痛風の薬を処方されていますが、薬をしっかり飲みながら体調を保たれています。
肝臓にも問題はなく、体調も良好です。
お話を聞くと、夜は19時に寝て、朝は猫と一緒に4時に起きる。
そして昼間は車を運転することもあるそうです。
私から見ても、まるで理想的な生活リズムで、日々を楽しんでおられる様子が伝わってきました。
「人に迷惑をかけず、幸せに生きる」
世間では健康についてあれこれと言われることが多いですが、この患者さんのように「自分の好きなことをして、人に迷惑をかけず、心穏やかに過ごす」という生活は、実はとても素晴らしいことだと思います。
昔の偉い方々も、質素で規則正しい生活を送りながら大往生を迎えた方が多くいらっしゃいます。
周りの気遣いと見守り
娘さんのようにご家族が心配される気持ちはよく分かります。
しかし、ご家族が見守り、必要な時にサポートする姿勢があれば、患者さん自身も安心して日々を過ごせます。
今回、私は「そのままで良いのではないでしょうか」とお伝えしました。
ご家族も納得され、笑顔で帰っていかれました。
診察を通して、患者さんの幸せそうな表情が何よりの答えだと感じました。
まとめ
私たち医療者の役割は、病気の治療だけではありません。
患者さんが「幸せに生きる」お手伝いをすることも、大切な役割だと思っています。
健康を守るために努力しつつも、自分らしく、心から楽しいと思える生活を送ることが、心と体の健康につながるのではないでしょうか。
これからも、皆さんが「自分らしい幸せ」を見つけられるよう、サポートさせていただけたらと思います。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼