花粉症の根本的治療について～症状の改善と生活の質向上を目指して～

2025年1月23日 2025年1月23日院長：山口裕礼（やまぐちひろみち）

院長：山口裕礼（やまぐちひろみち）

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

花粉症は多くの方が季節ごとに悩まされるアレルギー症状ですが、症状を一時的に抑えるだけでなく、根本的な治療を行うことで長期的な改善を目指すことが可能です。

本日は、花粉症の根本的治療について詳しくご紹介し、当院で提供している治療方法についてお伝えいたします。

根本的治療とは、花粉症の原因となるアレルゲンに対する過剰な免疫反応を抑制し、体の免疫システムを正常化することを目的とした治療法です。

これにより、花粉症の症状を長期的に軽減または完全に解消することが期待できます。

免疫療法（アレルゲン免疫療法）

最新の生物学的製剤（オマリズマブ（ゾレア）など）

免疫療法は、少量のアレルゲンを体内に投与することで、免疫システムを徐々に慣れさせ、アレルギー反応を抑制する治療法です。

主に以下の2つの方法があります。

皮下免疫療法（SCIT）
- アレルゲンを皮下に注射し、定期的に投与を続ける方法です。
- 長期間（数年）にわたり治療を行うことで、アレルギー症状の軽減が期待できます。
舌下免疫療法（SLIT）
- アレルゲンを含むタブレットや液体を舌下に投与する方法です。
- 自宅で簡単に行えるため、通院の負担が軽減されます。

免疫療法の特徴：

体質の改善：免疫療法は、体の免疫反応自体を変えることで、アレルギー症状を根本から改善します。これにより、治療を終了しても症状が再発しにくくなるという長期的な効果が期待できます。

オマリズマブ（ゾレア）は、重度のアレルギー症状に対して効果的な生物学的製剤です。IgE抗体を標的とし、アレルギー反応を根本から抑制します。

オマリズマブの主な効果：

オマリズマブの特徴：

免疫療法とオマリズマブ（ゾレア）は、どちらも花粉症の治療に有効ですが、アプローチや効果の持続性に違いがあります。

免疫療法：
- 体質の改善：長期間の治療を通じて、免疫システム自体を変えることでアレルギー症状を根本的に改善します。
- 長期的な効果：治療終了後も症状が軽減された状態が維持されることが多いです。
- 自然な治療法：薬物に頼らず、体自身の免疫反応を調整する方法です。
オマリズマブ（ゾレア）：
- 症状の管理：主に症状を迅速に緩和し、生活の質を向上させることに重点を置いています。
- 継続的な治療：効果を持続させるためには定期的な注射が必要です。
- 即効性：即効性があり、症状が急に悪化した場合などに有効です。