一方で…少し残念な受診のパターン 🌀

〜やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の本音〜
もちろん、すべての患者さんが「賢い受診」を実践できるわけではありません。
中には、医療の現場で“もったいないな”と感じるケースもあります。
ここでは、少し厳しめですが、医師としての正直な気持ちをお伝えします。
① 症状が多彩で、悩み相談になってしまうタイプ 💭
話すことが多いのは悪いことではありません。
ただ、診察時間には限りがあり、他の患者さんも待っています。
「時間があるときはじっくり聞きますが、そうでない日は全員が困ってしまう」
これは現場でよく起きることです。
人の気持ちを理解するのは医師の仕事ですが、同じように“周りの人の時間”を思いやることも立派な健康行動 です。
② 医療を信じきれないまま来院するタイプ 🧩
「病院なんて信用してない」「薬は飲みたくない」
そんな方も時にいらっしゃいます。
きっと過去に嫌な経験があったのでしょう。
ただ、医療を信じていないのに、なぜか来院している――
その矛盾の中で、医師も困惑します。
私たちは敵ではありません。
「助けてほしいけど医療は嫌い」 という気持ちを少しでも和らげられるよう努めますが、
ほんの少し信じていただけるだけで、治療の道は大きく開けます。
③ 待つことができず、早く終わることだけを求めるタイプ ⏰
1時間前から並んで、診察は3分で終了。
「待っていられない」「早く帰りたい」
そんな方もいます。
しかし、待っている時間の中にも大切な意味があります。
体を落ち着かせ、心を整え、診察に向き合う準備をする時間。
それを「無駄」と切り捨ててしまうのは、人生そのものを早送りしているようなものです。
急ぐことが習慣になってしまうと、心も体も疲れてしまいます。
④ 良くなって安心し、そのまま来なくなるタイプ 🌤️
症状が落ち着くと「もう大丈夫かな」と思い、来院が途絶えてしまう方もいらっしゃいます。
それ自体は自然なことですし、私たちも“元気になってよかった”と心から思っています😊
ただ、病気の多くは「良くなった後の過ごし方」で再発を防げるかが決まります。
数か月後に再び来られたとき、
「実は前回の経過を少し見ておきたかったな」と感じることもあります。
定期的なフォローは、病気を治すためではなく、“健康を維持するため”の通院 です。
良くなったあとこそ、少しでも不安があれば気軽に相談していただけたらと思います🌿
🌿さいごに
医療とは、人と人との信頼の上に成り立つものです。
「時間」「態度」「言葉」――どれも人生を映す鏡。
本当に賢い受診とは、
早く終わらせることでも、話を多くすることでもなく、
医師との関係を丁寧に育てること だと思います。
私たちは、そうした“賢い人たちの健康な生き方”をこれからも支えていきます😊🌸
投稿者プロフィール

-
からだ整えラボ
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
最新の投稿
クリニックだより2025年10月26日🌸ワクチン予約不要・当日接種OK!インフルエンザ流行、すでに始まりました!
からだ整えラボ2025年10月26日☔乾いた傘に宿る、おもてなしの心
からだ整えラボ2025年10月26日🌿学会帰りに訪れた「尹家(ユンケ)」——食のすべてが薬膳であるという体験
クリニックだより2025年10月25日「働くことは、幸せになること」―第74回日本アレルギー学会学術大会での受賞スピーチを終えて―


