乾癬(かんせん)について~乾燥肌とどう違うの?~

乾癬(かんせん)について~乾燥肌とどう違うの?~

こんにちは!やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は「乾癬(かんせん)」についてお話しします。

乾燥肌やアトピー性皮膚炎と症状が似ているように見えますが、乾癬は全く別の病気です。

乾癬について正しく理解し、適切な治療を目指しましょう。

乾癬ってどんな病気?

乾癬は、皮膚の表面に炎症が起こり、赤い発疹(ほっしん)や銀白色のうろこ状のフケのようなものができる慢性的な皮膚の病気です。

主な特徴は次の通りです:

  • 赤い発疹と銀白色のうろこ:特に頭皮や肘、膝、背中などに現れやすいです。
  • 乾燥して皮が剥がれる:皮膚がカサカサして剥がれることがあります。
  • かゆみや痛み:症状が進むとかゆみや痛みを伴うこともあります。
  • 波がある:良くなったり悪くなったりを繰り返します。

乾癬の原因

乾癬は、免疫(めんえき)の働きが過剰になってしまうことが原因とされています。

本来なら皮膚が新しくなるサイクルは1か月程度ですが、乾癬ではこのサイクルが異常に早くなり、皮膚がどんどん積み重なって炎症が起こります。

主な原因には以下が考えられます:

  • 遺伝的要因:家族に乾癬の方がいるとリスクが高くなります。
  • 環境要因:ストレス、寒さ、感染症、タバコ、アルコールなどが症状を悪化させることがあります。
  • 免疫の異常:免疫が過剰に働くことで炎症が引き起こされます。

乾癬の検査と診断

乾癬は主に皮膚の状態を観察して診断されますが、次のような検査を行うこともあります:

  • 皮膚の診察:赤みやうろこの状態を詳しく確認します。
  • 皮膚組織検査:皮膚の一部を採取し、顕微鏡で調べることがあります。
  • 血液検査:乾癬に関連する炎症の程度を調べるために行います。

乾癬の治療法

乾癬は完治が難しい病気ですが、症状を和らげる治療法があります。

  • 外用薬:ステロイドやビタミンDの塗り薬を使って炎症を抑えます。
  • 内服薬:免疫の過剰な働きを抑える薬を飲むことがあります。
  • 光線療法:紫外線を当てることで症状を軽減させます。
  • 生物学的製剤:注射薬で免疫の働きを抑える新しい治療法です。
  • 生活改善:ストレスを減らし、規則正しい生活を心がけることが大切です。

みんなに知ってほしいこと

乾癬は他人にうつる病気ではありません。しかし、放置すると症状が悪化することがあるため、早めの診断と治療が重要です。

「ただの乾燥肌かな?」と思っている方も、症状が続く場合は皮膚科で診察を受けてみましょう。

適切な治療で生活の質を向上させることができます。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート

環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)