新型コロナウイルス感染症の“いま についての 10 の 知識No.8~10
8.新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。
新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、 PCR 検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査です。
新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に 応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっています。
なお、抗体 検査は 、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、 検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。
9.新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するのですか。
軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行います。
呼吸不全を伴う場合には、酸素投与やステロイド薬(炎症を抑える薬)・抗ウイルス薬の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行うことがあります。
こうした治療法の確立もあり、新型コロナウイルス感染症で入院した方が死亡する割合は低くなっています。
発熱や咳などの症状が出たら、まずは身近な医療機関に相談してください。
10.新型 コロナウイルスのワクチンはありますか。いつから打てるようになりますか。
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発状況について
国内 ・海外で多数の研究開発が精力的に 行われており、一部 の国においては、緊急的な使用等が認められ、接種が開始されています。
接種の時期について
安全 で有効なワクチンが承認され、供給できるようになった時には、医療従事者等への最初の接種が 2 月下旬から始められるよう準備を進めています。
医療従事者等の後、高齢者、基礎疾患を有する方等の順に接種を進めていく見込みです 。
なお、高齢者への接種の開始は、早くても4月1日以降になる見込みです。
ワクチンの有効性と安全性について
一般的に、ワクチンには感染症の発症や重症化を予防する効果があります。
ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社は、第3 相試験で、開発中のワクチンを投与した人の方が、投与していない人よりも、新型コロナウイルス感染症に発症した人が少なかったとの、結果又は中間結果が得られたと発表しています。
一般的にワクチン接種には、副反応による健康被害が極めて稀ではあるものの、不可避的に発生します。
新型コロナウイルス感染症のワクチンの副反応については、臨床試験等で確認されているところです。
日本への供給を計画している海外のワクチンでは、現在のところ、重大な安全性の懸念は認められなかったとされています。
一方で、ワクチン接種後に、ワクチン接種と因果関係がないものも含めて、接種部位の痛みや、頭痛・倦怠感・筋肉痛等の有害事象がみられたことが報告されています 。
また海外で既に実施されている予防接種においては、まれな頻度でアナフィラキシー(急性アレルギー反応)が発生したことが報告されています。
もし、アナフィラキシーが起きたときには、接種会場や医療機関ですぐに治療を行うことになります 。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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