🌿20年をともに歩んできた患者さんとのお話

悪いなりに、身体はがんばっている

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口裕礼です。

今日は、20年近く診させていただいている患者さんのお話を、すこしだけ共有させてください。
(もちろん個人が特定されない形で書いています)

👵 80代半ばになった今も、変わらず「息苦しさ」と向き合う日々

その方は、大学病院時代からずっと診ている患者さん。
今では80代半ばになられました。

毎回、診察室に入るとこうおっしゃいます。

「先生、息が苦しくてね…なかなか良くならないのよ」

呼吸器の病気は、魔法の治療法があるわけではありません。
できることを積み重ね、
その日の苦しさを少しでも減らすために、
私たちはいつも“最善”を尽くします。

🍃 気づいたら、何年も乗り越えてきた

毎回の診察は“苦しい”のですが、
気づけば──
一緒に歩んだ年月はもう20年。

いつの間にか、
季節がいくつも巡っていました。
人は「今が一番つらい」と感じるものですが、
その都度ちゃんと乗り越えてこられている。
その強さに、私のほうが励まされています。

⚖️ 病気があるからこそ、身体は“調整”しながら生きている

体重は減り、体力も落ち、
ときどき足にむくみが出ることもあります。

呼吸器が悪ければ、
呼吸というだけでエネルギーを消費します。
だから、食べても痩せてしまうことがある。

また、肺が弱ると
心臓にも負担がかかり、
むくみにつながることもあります。

でも私は今回、こんな話をしました。

「肺は悪い。でも今の体重だからこそ、
今の肺で“支えられている”のかもしれませんね」

「身体というのは歯車みたいなもの。
どこかが悪くなると、別の場所が調整してくれるんです」

「悪いなりに、ちゃんと恒常性(バランス)が保たれていますよ」

無理に太ろうとしなくていい。
無理に頑張ろうとしなくていい。

身体は、
あなたのペースで、あなたの人生を守るために動いている。
そうお伝えしました。

👩‍👧 やさしい娘さんと、やわらかい笑顔

いつも一緒に来られる
やさしいお嬢さん。

今回も、娘さんと顔を見合わせながら
ふっと笑顔がこぼれました。

苦しい日々の中でも、
こうした心がほぐれる瞬間があります。

「これからも、のんびりいきましょうね」

そうお伝えすると、
お二人ともほっとした表情で帰られました。

🌈 まとめ

〜“悪いなりに調整”して生きる身体を信じてほしい〜

病気をもつ身体は、
たしかに不自由で、つらいことが多いです。

でも実はそのたびに、
身体は自分なりにバランスをとり直している。

無理をせず、
“今日できる最善”を積み重ねていけばいい。
それで十分。

患者さんと娘さんの笑顔を見ながら
あらためてそう思いました😊

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
カラダ取説®マスター・ジェネラル ← NEW✨
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞