新型肺炎 安全な学校運営のための行動指針 ユニセフ、WHO、赤十字
~ 学校の先生、職員の方々へ ~
■ 安全で清潔な学校の確保
石けんや消毒剤を備えた手洗い場を整備し、正しい衛生習慣を促進しましょう。
また、たくさんの人が触れるドアや窓、遊具やスポーツ用具、手すりやテーブルなどの消毒を含めた清掃をおこなってください。
場合によっては、人々の接触を避けるための以下の対応も必要でしょう。
登下校の時間をずらす
集会やスポーツの試合、イベントなどの中止
可能であれば、生徒同士の机を1m以上離す
■ 安心して休める環境づくり
休まず登校することを奨励せず、具合の悪い生徒や職員が迷わず休める環境をつくりましょう。
欠席の先生がいても授業を補完し合える体制づくりや、試験や休暇の日程などを含めた学校活動のスケジュールを変更することも検討してください。
■ いざという時の体制づくり
もし生徒や職員が体調を崩したときにどこに連絡しどう対応するか、その計画や手順を保健当局等と連携して整備してください。
その際には、具合が悪くなった人への偏見や差別が生じないよう配慮しましょう。
また、そうした対応策を職員、保護者、生徒と共有しましょう。
■ 情報共有を強化する
口コミやインターネット上で広がる偽情報に注意し、確かな情報源から正しい情報を得ましょう。
COVID-19の最新状況や学校での取り組みをPTAなども活用して生徒や保護者に周知してください。
同様に、もし家庭内で感染した人が発生した場合には速やかに学校に通知される体制や、生徒たちの疑問や質問に答える取り組みも必要です。
■ 年齢や状況に合った指導を
日々の学習や活動の中に感染予防を取り入れ、未就学児、小学生、中高生とそれぞれの年代に応じた指導と対応をしてください。
障がいがある子ども、家族の看護を担わされやすかったり搾取のリスクが高い女の子など、特に支援が必要な子どもたちを注視してください。
■ 心の健康を保つために
生徒たちに、疑問や不安があったら先生に遠慮なく話すよう働きかけましょう。
影響の受け方は様々です。友だちを支え、仲間外れや悪口が生じないように生徒を導いてください。
支援が必要な生徒を見つけるために、養護教諭やスクール・ソーシャルワーカーなどと連携しましょう。
■ 長期欠席や休校への対応
学校が休校になったり、長く学校をやすむ状況になった子どもたちが、勉強を継続できるよう対策をとってください。
たとえば、
インターネットを活用した学習
家庭学習のための宿題
ラジオやテレビの教育コンテンツの活用
先生たちによる、定期的な生徒へのフォローアップ
補習計画づくり
~ 保護者の方々へ ~
■ 正しい情報を
COVID-19の感染経路や症状、予防方法等に関する正しい情報を確かな情報源から得てください。
口コミやインターネット上で広がる偽情報に注意しましょう。
■ 子どもたちの体調管理と感染予防
COVID-19の症状は、一般的な風邪と酷似しています。もしお子さんの具合が悪くなったら、医療機関の指示に基づいて受診しましょう。
学校にも、症状を伝えてください。
お子さんには、わかりやすい言葉で状況を伝え、安心させてあげましょう。
お子さんが元気で、学校が開校しているなら、学校に行かせてください。
通学を避けるのではなく、正しい衛生習慣を教え、家でも学校でも、正しい手洗いや、咳をするときに肘やティッシュで覆い、目や口を触らない、といった行動を実践できるよう教えてください。
■ 子どもの心に寄り添って
非日常の中で、子どもたちのストレスは様々な形で表出します。
眠れなくなったり、おなかが痛くなったり、引きこもりがちになったり怒りやすくなるお子さんもいるでしょう。
そうした反応を優しく受け止め、こうした状況では当然のことであると説明してください。
お子さんの心配事に耳を傾け、慰め、たくさん褒めてあげてください。
可能なら、遊んだりリラックスする機会をつくってください。
年齢に応じた情報を与え、何が起きているのか、自分の身を守るために何ができるのかを話してあげましょう。
~ 子どもたちへ ~
■ 不安になるのは当然です
普段とちがう状況の中、悲しくなったり、不安になったり、混乱したり、腹が立ったりするのは、当然です。
あなたはひとりではありません。
お父さんやお母さん、先生など信頼できる人と話しましょう。
疑問に思うことがあったら聞きましょう。
正しい情報を得られれば、それはあなたや周りの人を守ることにもつながります。
■ 自分と周りの人を守るために
石けんを使って、よく手を洗いましょう。
20秒以上かけて洗うのが効果的です。
むやみに顔を触らないようにしましょう。
コップや食器、食べ物や飲み物を他の人とシェアしてはいけません。
■ 一人ひとりがリーダーに
感染予防の方法を学んだら、おうちの人や友達、とくに弟や妹など小さな子どもたちに教えてあげましょう。
咳エチケットや正しい手洗いを、弟や妹の前で実践してあげましょう。
■ 感染は、だれにでも起こりえます
COVID-19の感染は、誰にでも起こる可能性があります。
住んでいるところや民族、年齢や性別、障がいの有無は関係ありません。
具合が悪くなった人を非難したりいじめたりしてはいけません。
■ がまんしないで
もしも具合が悪くなったら、おうちの人や面倒を見てくれている人に伝え、家から出ないようにしましょう。
本指針の主なポイントは上記の通りです。(日本ユニセフ協会編集・抄訳)
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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