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黄砂の季節に備える:アレルギーと喘息患者のためのガイド

黄砂の季節に備える:アレルギーと喘息患者のためのガイド

春の訪れと共に、多くの人々が心待ちにしている温かい気候や花々の開花だけではなく、ある気象現象に頭を悩ませる時期がやってきます。

それは「黄砂」の季節です。

特にアレルギーや喘息をお持ちの方にとって、この時期はいくつかの注意が必要になります。

黄砂とは?

黄砂は、中国大陸の砂漠地帯から春先に風に乗って飛んでくる微細な砂のことを指します。

この黄砂には、微小粒子状物質(PM2.5)、大気汚染物質(二酸化硫黄や窒素酸化物など)、カビ、細菌、ダニといった、健康に有害な成分が含まれており、特にアレルギーや喘息のある方には刺激となり得ます。

黄砂の影響

黄砂が含む有害物質は、目や鼻、喉の粘膜に刺激を与え、以下のような症状を引き起こす可能性があります:

  • 目のかゆみや赤み
  • 鼻水、くしゃみ、鼻づまり
  • 咳や痰、息切れ
  • 喉の痛み
  • 喘息症状の悪化

対策方法

黄砂の季節を乗り切るためには、以下のような対策が効果的です:

  • 外出を控える:特に黄砂の濃度が高い日は、外出を避けましょう。
  • マスクを着用する:PM2.5をカットできるマスクの着用が推奨されます。
  • 衣服を洗濯する:帰宅後は、黄砂が付着した衣服を洗濯しましょう。
  • 室内の換気を行う:換気扇を回しつつ、黄砂が室内に入らないよう窓を閉めましょう。
  • 加湿を行う:室内の湿度を50~60%に保ち、気道粘膜の乾燥を防ぎましょう。
  • 手洗いをする:黄砂が付着した手で目や鼻を触ると症状が悪化するため、帰宅後は手洗いをしましょう。

アレルギー・喘息患者へのアドバイス

  • 薬を服用する:黄砂の飛来前に、医師から処方された薬を予め服用しておきましょう。
  • 体調管理を徹底する:十分な睡眠と栄養をとり、体を冷やさないように心がけましょう。
  • 症状が悪化したら医療機関を受診する:症状が悪化した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

黄砂の季節は、アレルギーや喘息患者さんにとって特に注意が必要な時期です。

上記の対策を行い、健やかな春を過ごしましょう。


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。