高齢の患者様へ:「生きる目的」を見つけるためのヒント
高齢の患者様へ:「生きる目的」を見つけるためのヒント
最近、「生きる目的がわからない」と感じている患者さんからのお話を耳にすることが増えました。
私の多くの信頼する患者さんだからこそ、悩みを正直に打ち明けてくれます。
そのお気持ちは、私にとっても非常に重く受け止めるものです。
年齢を重ねると、身体的な衰えや家族、友人との別れなど、心に重くのしかかる出来事が多くなることもあります。
その中で、これからの人生をどう過ごしていけばいいのか、迷いを抱える方も少なくないでしょう。
そんな皆様に、2024年8月に出版された『100歳は世界をどう見ているのか』という本から得たヒントをお伝えしたいと思います。
長寿者が語る「生きる意味」
この本では、100歳を超えて生きてきた人々が、自分の人生をどのように捉えているかが語られています。
彼らは、私たちよりも多くの経験を持ち、その中には悲しみや困難も少なくありません。
それでも彼らに共通するのは、困難を乗り越え、日々の小さな喜びや希望を見つけ続けてきた姿勢です。
彼らの多くは、必ずしも壮大な「生きる目的」を追い求めるのではなく、日常の中で何かしらの小さな楽しみや生き甲斐を見つけ、それを大切にしています。
例えば、家族との時間、趣味、自然の美しさを感じる瞬間など、目の前にある「今」を大切に生きることが、彼らの長寿を支えています。
生き甲斐は身近にある
100歳を超える人々の話を聞いていると、人生の晩年においても、新しい挑戦や周囲の人々への貢献が、心の充実につながることがわかります。
特に、自分の知識や経験を次の世代に伝えることが、誰かの役に立つという実感を得ることに繋がります。
ご自身の人生で培ってきたものは、他の誰かにとって非常に貴重なものであり、それを共有すること自体が大きな生き甲斐になるのです。
もし今、「何をすべきか」がわからないと感じている方がいらっしゃいましたら、まずは自分が楽しめる小さなことを見つけることから始めてみてください。
趣味、散歩、読書、家族との会話など、何でも構いません。
そして、誰かのためにできることを考えてみることもおすすめです。
誰かを助けたり、喜ばせたりすることで、自分自身も生きる活力を得ることができます。
それこそ私は多くの高齢患者さんに、日常の診療において助けていただいたり喜びを頂くこともたくさんあります。
終わりなき挑戦
人生は年齢に関係なく、常に新しい可能性に満ちています。
100歳の方々も、日々を楽しみながら新しいことに挑戦し続けています。
「遅すぎる」ことは決してないのです。
これからもご自身のペースで、新しい目標や楽しみを見つけていくことが、充実した毎日を送るための鍵になるでしょう。
どうぞ、今という瞬間を大切に、そして自分らしく生きてください。
それが、私たちが長寿を全うする上での一番の喜びになるはずです。
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