時間を大切に、社会とつながる生き方
私たちは日々の生活の中で、時間やお金の使い方について多くの選択をしています。
その中で、「人生100年時代」を迎える現代において、親世代がどのように生き方を考えているのか、子どもたちにとっても知っておいて損はありません。
例えば、89歳の現役プログラマーである若宮正子さんの生き方をご紹介します。
若宮さんは、講演や仕事で多忙な日々を送りながらも、「使い切れないお金は困っているNPOに寄付し、社会のために役立ててもらう」と話しています。
そして、「今ほしいのはお金ではなく時間」と語ります。
これは、親世代が単なる経済的な豊かさだけでなく、自分らしい時間の使い方を求めていることを示しています。
親世代が伝えたい「豊かさ」とは
若宮さんのように、親世代が大切にしているのは、自分が楽しむだけでなく、社会に貢献したいという思いです。
若宮さんはこう言います。
「高齢の人は、本当は自分が『ありがとう』と言われたいんです。」
例えば、手作りの作品をバザーで販売し、その収益を困っている人に寄付することなど、感謝される経験を持つことで、親世代は自分の存在価値を感じます。
もし、あなたの親が何かに打ち込んでいたら、それがどんなに小さなことでも応援してみてください。
それが「親の理想の人生」をサポートする第一歩になるかもしれません。
「自立した考え」が家族を守る
若宮さんは「自分の頭で考えること、自立すること」を大切にされています。
これは、単に経済的な自立だけでなく、「考え方の自立」が重要だということです。
高齢者を狙った詐欺や犯罪が多い中で、考え方の自立は安心して暮らすための防御策にもなります。
子ども世代の皆さんには、このような「親の自立を尊重しながら支える姿勢」を考えていただきたいと思います。
親が何かを選択したとき、意見を求められたら一緒に考え、自分で決める機会を尊重してください。
それが家族全体の絆を強くします。
親世代の理想を理解し、共に歩む
若宮さんのように、自分の興味を追求し、社会とつながり、感謝される経験を持つことは、高齢期を豊かにするだけでなく、家族にとっても誇りとなる生き方です。
子ども世代としても、親が大切にしている価値観を知ることは、互いに理解を深めるきっかけになります。
当院では、患者さまやそのご家族とお話しする中で、「家族としてどう接するべきか」を悩む声をよく伺います。
親世代が大切にしていることを尊重しながら、家族みんなが安心して暮らせる方法を一緒に考えていきましょう。
これからの毎日が、親世代にも子ども世代にも充実した時間となりますよう、当院も引き続きサポートしてまいります。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼