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新型コロナウイルスワクチン!持病、基礎疾患で気管支喘息(ぜんそく)の場合、接種順位は?

内科

喘息は優先接種の対象とはなりませんが、例外があります

新型コロナウイルスワクチン接種で優先順位が高い基礎疾患で

慢性の呼吸器の病気

があります。

気管支ぜんそくが対象になるかどうか?

気管支喘息患者の新型コロナウイルス感染症の感染リスクならびに重症化リスクは健常者と大きな違いはありません。

そのため優先接種の対象にはなりません。

しかし、気管支喘息の患者さんで下記に当てはまる方は対象となります。

気管支喘息が基礎疾患として優先順位が高くなる場合

● 継続的な経口ステロイド薬治療を受けている者

● 吸入ステロイド等による治療を行っても喘息のコントロールが不良である者
(過去1年以内の入院歴、あるいは過去1年以内に2回以上の予定外外来あるいは救急外来受診歴がある者、など)

分からない場合は主治医の先生に確認をしてみてください。

基礎疾患
(1) 以下の病気や状態の方で、通院/入院している方

1.慢性の呼吸器の病気
2.慢性の心臓病(高血圧を含む。)
3.慢性の腎臓病
4.慢性の肝臓病(肝硬変等)
5.インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
6.血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
7.免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
8.ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
9.免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群

(2) 基準(BMI 30以上)を満たす肥満の方

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日本アレルギー学会|気管支ぜんそくの新型コロナウイルスワクチンの接種順位について

日本アレルギー学会は日本呼吸器学会とも協議した上で、気管支喘息患者の新型コロナウイルス感染症の感染リスクならびに重症化リスクは、併存疾患などのリスク因子で補正した場合には喘息を合併していない同年齢集団と大きな違いがないと考えられることから、新型コロナウイルスワクチンの最優先接種対象とする必要性は乏しいと判断いたしました。

但し、経口ステロイド薬を使用している、あるいはコントロール状態が不良である場合には死亡リスクが高い可能性があることから、新型コロナウイルスワクチンの最優先接種対象とすることが妥当と判断いたしました。

なお、日本呼吸器学会にて COPD 患者の新型コロナウイルス感染症の感染リスクならびに重症化リスクが検討され、気管支喘息と COPD の記載を分けることが提案されております。

COPD およびその他の慢性呼吸器疾患に関する意見は日本呼吸器学会から提出予定です。

以上より日本アレルギー学会は、新型コロナウイルスワクチンの最優先接種対象とする基礎疾患の基準について、慢性呼吸器疾患のうち気管支喘息に関して下記の様に修正することを提案いたします。

『新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準 手引き』の修正部分

優先接種の対象とする基礎疾患の基準について
慢性呼吸器疾患
最優先対象基準
① 気管支喘息を有し、継続的な経口ステロイド薬治療を受けている者、あるいは吸入ステロイド等による治療を行っても喘息のコントロールが不良である者(過去1年以内の入院歴、あるいは過去1年以内に2回以上の予定外外来あるいは救急外来受診歴がある者、など)

② COPD(肺気腫、慢性気管支炎)を有し、継続して治療を受けているか、治療を受けていなくと
も経過観察のために定期的に受診している者