喘息治療を続けることの重要性 〜安定した生活を支えるために〜
こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
喘息の治療で当クリニックを訪れる患者さんは多く、皆さんが少しでも快適に生活できるよう、日々治療をサポートさせていただいています。
喘息は一時的な症状ではなく、気道が慢性的に炎症を起こす病気であるため、症状が安定しても治療を続けていくことが大切です。
しかし、安定期に入ると、「もう治ったかもしれない」と感じ、受診をやめてしまうケースも少なくありません。
この「治療の中断と再開」を繰り返すと、次第に症状が悪化し、以前より改善が難しくなることもあります。
患者さんの気持ちと治療の現実
患者さんとしては、治療を始めるときは「症状をしっかり良くしていきたい」という思いが強いでしょう。
実際、毎回の受診で少しずつ症状が良くなることは、患者さんにとっても大変嬉しいものです。
しかし、「良くする」というプロセスには、私たち医療従事者の計画的な治療や日々の努力が欠かせません。
症状が再び悪化すると、患者さんにもストレスがかかりますし、医療者側も一から治療をやり直すことが必要になるため、お互いにとって負担となってしまいます。
喘息の根本原因と治療の目標
喘息は風邪のように一時的な症状ではなく、気道が慢性的に炎症を起こしている病気です。
この炎症が、せきや呼吸困難といった症状を引き起こします。
治療の目標は単に「発作を抑える」だけでなく、気道の炎症をコントロールし、患者さんが日常生活を快適に過ごせるようにすることです。
具体的には、軽い運動をしても息切れしない、夜間もぐっすり眠れるといった、日常生活の質の向上が目指すべきゴールです。
治療の中断によるリスク
自己判断で治療を中断してしまうと、気道の炎症が再び悪化し、軽い運動で息切れを感じたり、夜中にせきで目が覚めたりする頻度が増えることがあります。
さらに、悪化が進むと呼吸困難で救急搬送が必要になることもあります。
治療を中断することは、健康な日常を遠ざけるリスクを伴うものだとご理解いただけると幸いです。
治療を続けることのメリット
治療を継続することで、発作の頻度が減り、夜間のせき込みや息切れが減るため、日中の活動もスムーズに行えるようになります。
例えば、旅行やスポーツなどもより気軽に楽しめるようになり、快適な生活を送るためのベースがしっかりと築かれます。
継続治療の積み重ねが、患者さんの「健康で快適な日々」を支えるのです。
不安を取り除くために
治療の継続に際して、副作用や治療費などの不安を感じることもあるかもしれません。
特に吸入ステロイド薬については、副作用が心配な方も多いでしょう。
しかし、現在の吸入薬は以前より副作用が少なく、効果も高いものが多くあります。
体質や症状に合わせた治療を選ぶことができますので、不安や疑問があれば遠慮なくご相談ください。
コミュニケーションを大切に
治療は患者さんと医療者が共に進めるものです。
症状がつらいときはもちろん、治療に関する不安や疑問があれば、どうぞ気軽にお話しください。
私たちも患者さんの声を大切にし、最適な治療を共に探しながら進めていきたいと考えています。
喘息治療は、症状が良くなったから終わりではなく、その良い状態を維持していくことが重要です。
どうか焦らず、長い目で治療に向き合っていただければと思います。
健康で快適な生活を続けられるよう、一緒に歩んでいきましょう。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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