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体重管理が喘息に与える効果について

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体重管理が喘息に与える効果について

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

「太っていることが喘息に影響するの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

実は、体重管理は喘息症状のコントロールに重要な役割を果たしています。

今日は、体重が喘息に及ぼす影響と、減量がどのように喘息症状を改善するのかについてお話しします。

肥満が喘息に与える影響

肥満は、喘息の症状を悪化させる要因の一つとされています。具体的には、以下のような影響があります。

  • 気道が圧迫される
    肥満によって胸や腹部に余分な脂肪がつくと、気道が圧迫され、呼吸がしづらくなることがあります。
  • 全身の炎症が増加する
    肥満は慢性的な炎症を引き起こし、喘息による気道の炎症を悪化させることがあります。
  • 薬の効きが悪くなる
    肥満があると、喘息治療の薬(特に吸入薬)が十分に効果を発揮しにくくなる場合があります。
  • 睡眠時無呼吸症候群との関連
    肥満の方は睡眠時無呼吸症候群を併発することが多く、これが喘息をさらに悪化させることがあります。

減量が喘息に与える効果

適切な減量は、喘息症状の改善に大きく寄与します。以下のような効果が期待できます。

  1. 呼吸機能の改善
    減量により胸や腹部の圧迫が軽減され、呼吸がしやすくなります。
  2. 炎症の軽減
    体重が減ることで、全身の慢性的な炎症が軽減し、気道の炎症も抑えられます。
  3. 薬の効果が高まる
    減量することで吸入薬の効き目が良くなり、症状のコントロールがしやすくなります。
  4. 運動能力の向上
    体重が減ることで体力が向上し、息切れしにくくなるため、日常生活が楽になります。
  5. 合併症のリスク低下
    睡眠時無呼吸症候群や糖尿病など、肥満に関連する病気のリスクが低下します。

今日からできる体重管理のポイント

体重を減らすことで喘息症状が改善する可能性がありますが、無理なく取り組むことが大切です。

以下のポイントを参考に、少しずつ始めてみてください。

  1. バランスの良い食事を心がける
    高タンパク・低脂肪の食品を取り入れ、野菜や果物を積極的に摂取しましょう。
  2. 適度な運動を取り入れる
    息が切れない程度のウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を続けることが大切です。
  3. 食べ過ぎを防ぐ
    食事はゆっくり噛んで食べることで、満腹感を得やすくなります。間食を控えるのもポイントです。
  4. 体重を記録する
    毎日の体重を記録することで、自分の変化を確認しやすくなり、モチベーションが上がります。

体重管理で喘息症状を軽減しよう

減量は喘息のコントロールを大きく助けますが、無理をすると逆効果になる場合もあります。

ゆっくりと継続的に取り組むことで、心身ともに健康な状態を目指しましょう。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。