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喘息と菓子パン:あまりよくない理由とは?

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喘息と菓子パン:あまりよくない理由とは?

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今日は「喘息と菓子パン」の関係についてお話しします。

「えっ、菓子パンが喘息に関係あるの?」と思われるかもしれませんが、実は深い関係があります。

菓子パンが喘息に与える影響

菓子パンはおいしいだけでなく、手軽にエネルギーを補給できるため、つい手に取りたくなる食品です。

しかし、喘息をお持ちの方にとっては、注意が必要な点があります。

以下にその理由を解説します。

1. 高糖質と血糖値の急上昇

菓子パンには多くの砂糖や小麦粉が使われており、摂取後に血糖値が急激に上がる特徴があります。

この血糖値の変動が、体内の炎症反応を促進すると考えられています。

喘息は気道の炎症が原因の一つなので、血糖値の乱高下が症状を悪化させるリスクがあります。

2. 添加物による影響

菓子パンには、保存料や着色料、香料などの食品添加物が多く含まれている場合があります。

一部の喘息患者さんはこれらの添加物に敏感で、特に亜硫酸塩(防腐剤)や人工甘味料が発作を誘発することがあります。

3. 脂質の質

菓子パンにはトランス脂肪酸や飽和脂肪酸を多く含むマーガリンやショートニングが使用されていることが一般的です。

これらの脂質は、体内の炎症を促進する可能性があり、喘息には良い影響を与えません。

菓子パンを控えるメリット

菓子パンを控えることで得られるメリットは、喘息だけでなく全身の健康にも良い影響を及ぼします。

  • 気道の炎症が軽減される可能性
    菓子パンを減らすことで、気道への負担が軽減され、症状の安定化が期待できます。
  • 体重管理がしやすくなる
    菓子パンはカロリーが高い割に栄養バランスが良くないため、摂取量を抑えることで体重管理にもつながります。肥満は喘息のリスク因子の一つです。

菓子パンをどうしても食べたいときは?

「どうしても菓子パンが食べたい!」という日もあるかと思います。その場合は、次のポイントを意識してください。

  • 原材料をチェックする
    添加物が少ないものや、全粒粉を使ったパンを選びましょう。
  • 手作りに挑戦する
    自宅で砂糖や脂質を控えた手作りパンを作れば、安心して楽しめます。
  • 食べる頻度を減らす
    毎日ではなく、たまの楽しみにすることで、体への負担を減らせます。

食生活が喘息管理の一環に

喘息の管理には、薬だけでなく日々の生活習慣も重要です。

菓子パンを含む加工食品を減らし、野菜や果物、良質なタンパク質を意識的に摂取することで、症状の安定につながるかもしれません。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。