🫁呼吸リハビリにピラティス⁉

医師がすすめる、呼吸を整える新しいアプローチ

こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の山口裕礼です。

当院では日々、COPDや喘息、間質性肺炎、コロナ後遺症など
「呼吸のつらさ」を抱える多くの患者さんと向き合っています。

従来の呼吸リハビリには、腹式呼吸、運動療法などがありますが、
最近、注目しているのが 「ピラティスの応用」です。

じつはピラティスは、呼吸機能を根本から見直すきっかけになります。

🍃ピラティスと呼吸は、もともと深くつながっている

ジョセフ・ピラティス氏が考案したオリジナルメソッドには
「胸式呼吸」が大前提として組み込まれています。

彼はこう言っています:

“Breathing is the first act of life and the last.
Above all, learn how to breathe correctly.”
ー人生で最初の行為であり、最後の行為。それが呼吸。
何よりもまず、正しく呼吸することを学びなさい。

これは、まさに現代の呼吸リハビリの本質とも重なります。

🧘‍♂️呼吸リハビリとしてのピラティスの利点

✅ 1. 胸郭の可動性が上がる

胸式呼吸を意識しながらエクササイズすることで、
肋骨の動きや胸郭の拡張が自然に促されます。

→ 肺を“外側から”広げる力を育てる

✅ 2. 横隔膜と腹部の連動が良くなる

ピラティスでは「コア(体幹)」=呼吸の司令塔を徹底的に使います。

  • 息を吸う:横隔膜が下がる
  • 吐くとき:腹横筋や骨盤底筋が働く

この連動がスムーズになると、効率的な換気・排痰にもつながります。

✅ 3. 自律神経が整い、呼吸が深くなる

ピラティスのゆったりとした動きと呼吸のリズムが
交感神経・副交感神経のバランスを整える手助けになります。

→ 息苦しさや過換気症候群、不安による呼吸困難にも効果的◎

🧩実際に効果がありそう「ピラティス応用法」3選

🟩1. 胸郭開放ストレッチ(道具:ストレッチポール or 丸めたバスタオル)

  • 仰向けに寝て胸を広げ、腕を左右に開く
  • 胸式呼吸をゆっくり繰り返す(1日5分)

➡ 胸郭が柔らかくなり、呼吸補助筋の緊張が緩和されます。

🟩2. 肋骨しぼり呼吸トレーニング(マット上で実施)

  • 仰向け or 座位で、脇腹に手をあてて息を吸う
  • 吐きながら肋骨を“しぼる”ように意識

➡ 呼気筋トレーニング+呼吸のコントロール力UP

🟩3. スパインツイスト with 呼吸

  • 座位で背骨をまっすぐにし、息を吸って
  • 吐きながら背骨をねじる(左右交互)

肋骨の可動性+肺周囲の柔軟性を高めます

🧠呼吸器内科医からのメッセージ

  • 呼吸のトラブルは「気道」だけでなく、「姿勢」や「神経」、「筋肉」も大きく関係します。
  • ピラティスは、それらすべてを包括的にリハビリできる貴重なアプローチです。
  • 専門的な医療と連携しながら、“日常の呼吸”を整えるための習慣として取り入れていくことをおすすめします。

🌱まとめ:「呼吸の質」を上げるリハビリへ

ピラティスは、運動療法×呼吸再教育×姿勢改善を同時に叶える理想的な手法です。

とくに、

  • 慢性呼吸器疾患の方
  • 猫背・巻き肩の方
  • スマホやPC作業で浅い呼吸が癖になっている方

このような方にとって、“やさしくて、深い”呼吸リハビリになるはずです。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)