🎭【ネタバレあり・個人的考察】『シャイニングな女たち』が突きつけた問い

――なぜ私たちは「自分の人生」を生きられなくなるのか

こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック院長の
山口裕礼(やまぐち ひろみち)です。

今回は、
PARCO劇場で観た舞台『シャイニングな女たち』について、
かなり個人的で、哲学的な視点から書いてみようと思います。

ここに書くのは「正解」ではありません。
ただ、この舞台を観たあと、
頭から離れなかった“問い”についてです。

🧠 主人公は「思いついたら動く人」だった

この作品の主人公は、
思いついたらすぐ動く。
考えるより先に、体が反応する。

今の言葉で言えば、
やや衝動性の高いタイプとも言えるかもしれません。

でも私は、こうも思いました。

このタイプの人間は、
人類史のほとんどの時間では
「リーダー」だったのではないか。

狩りの時代。
危険を察知したら即座に動く。
誰よりも早く一歩を踏み出す。
恐怖よりも行動が先に来る。

そういう人が、
集団を守ってきた。

🧩 しかし「協調を最優先する社会」では生きづらい

現代日本はどうでしょう。

・空気を読む
・和を乱さない
・目立たない
・足並みを揃える

この社会では、
「すぐ動く人」ほど浮いてしまう

主人公は能力が低いわけでも、
怠けているわけでもない。

ただ、
社会の設計と相性が悪い

この“ミスマッチ”こそが、
舞台全体を覆う息苦しさの正体だと感じました。

🇯🇵🇰🇷 韓国の留学生との対比が示すもの

作中で印象的だったのが、
韓国からの留学生との対比です。

韓国では、
・自分の意見を言う
・主張する
・評価はぶつかり合いの中で決まる

一方、日本ではどうしても
・雰囲気
・周囲の気
・「言わない配慮」
が重視される。

どちらが良い悪いではありません。

ただ、日本社会では
「言わないことで生き残る技術」
異常なまでに発達している。

その結果、
「言ってしまう人」
「動いてしまう人」
が排除されやすくなる。

👁️ 日本のいじめは「静か」だ

舞台では、
きれいな子が無視される描写がありました。

殴られない。
怒鳴られない。
ただ、存在しないかのように扱われる。

これは、非常に日本的ないじめです。

同調しない人。
目立つ人。
空気を読まない人。

そういう人を、
集団から“消す”

そして恐ろしいのは、
それをしている側に
強い自覚がないことです。

🏫 部活動の「しごき」と同じ構造

部活動における
しごき・理不尽な上下関係。

これも同じ構造です。

・「伝統だから」
・「みんなやってきたから」
・「耐えるのが美徳だから」

個人の感覚より、
集団の論理が優先される。

違和感を覚えた人が、
「弱い」とされる。

🌐 ネット社会は、同調圧力を“可視化”した

ネットは自由に見えて、
実は同調圧力を
数値化・可視化した世界です。

・いいね
・炎上
・叩かれる空気

少し違うことを言うと、
一斉に矢が飛んでくる。

舞台の世界は、
決してフィクションではありません。

🌏 震災が示す「明日があるとは限らない」という事実

物語の終盤で触れられる震災。

これは、とても重要です。

・ルール
・評価
・序列
・空気

それらは、
一瞬で無意味になる

明日、生きている保証はない。

それなのに私たちは、
「嫌われないように」
「はみ出さないように」
と、自分を削り続ける。

🪞 同調圧力の正体は「他人の人生を生きていること」

この舞台が、
最終的に突きつけてきた問いはこれでした。

あなたは、
本当に自分の人生を生きていますか?

・親の期待
・社会の正解
・周囲の評価

それらを内面化して、
自分の選択だと思い込んでいるだけ
なのではないか。

主人公は、
不器用で、衝動的で、
社会にうまく適応できない。

でも、
「自分の人生」を生きようとしていた

だからこそ、
苦しく、眩しく、
そしてシャイニングだった。

🌟 まとめ:この舞台は「生き方の問い」だった

『シャイニングな女たち』は、
フェミニズムの物語でも、
社会批評だけの作品でもありません。

これは、

🧠 脳の多様性
🌍 社会設計の歪み
🪞 同調圧力
❤️ 自分の人生を生きる勇気

それらすべてを含んだ、
哲学的な演劇でした。

観て苦しい人ほど、
この作品は「効いている」。

そう思います。

🎭
自分の人生を生きることは、
時にとても孤独です。
でも、それでも生きる。
それが“シャイニング”なのだと、
この舞台は教えてくれました。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞