【抗加齢医学会で学んだ】妊活で女性だけが頑張らないために

夫の「体重・お酒・生活習慣」が未来につながる話 👩‍❤️‍👨

「なかなか授からない」
「検査も通院も、気づけば私ばかり」
「夫にどう伝えたらいいのか分からない」

妊活中の女性から、こうした声を聞くことがあります。

横浜で開催された第26回日本抗加齢医学会総会で、
「食事が変える 男性の老化と性機能」というモーニングセミナーを拝聴しました。

今回、改めて強く感じたことがあります。

妊活は、女性だけが身体を整え、悩み、通院するものではありません。
男性の体重、食事、お酒、睡眠、喫煙なども、妊娠の可能性に関わる大切な要素です。

不妊には女性側だけでなく、男性側の要因も関わることがあります。
だからこそ、女性が一人で「もっと頑張らなければ」と自分を責める必要はありません。

「夫は元気そうだから大丈夫」ではないこともあります

男性は、日常生活で特に困っていなければ、
「自分には問題がない」と考えやすいかもしれません。

しかし、精子の状態は見た目だけでは分かりません。

仕事が忙しい。
帰宅が遅い。
外食が多い。
お酒を毎日飲む。
体重が増えてきた。
睡眠時間が短い。
タバコを吸う。

こうした毎日の積み重ねが、男性のホルモンや血流、精子の状態、性機能に影響する可能性があります。

女性が妊活のために食事や睡眠を見直すように、
男性にも「自分の身体を整える時間」が必要です。

妊活中の夫に、まず伝えたい3つのこと ✅

1.太っているなら、少し痩せること 🏃‍♂️

「少しお腹が出てきた」
「健康診断で体重を注意された」
「昔より明らかに太った」

そんな場合は、まず体重を少し整えることが大切です。

肥満は、男性ホルモン、血糖、血圧、睡眠、血管の状態などに影響します。
そしてこれらは、精子や性機能とも無関係ではありません。

大きな目標でなくても大丈夫です。

まずは2〜3kg減らす。
夜食を減らす。
甘い飲み物を毎日飲まない。
週に数回でも歩く。

これだけでも、身体は少しずつ変わり始めます。

女性が体調管理を頑張っているなら、夫にも「一緒にやろう」と言ってよいのです。

2.お酒の飲みすぎは見直す 🍺⚠️

お酒が好きな男性は多いと思います。

仕事終わりの一杯。
友人との食事。
週末の楽しみ。

すべてを我慢する必要はありません。

ただし、毎日の深酒や、週末にまとめてたくさん飲む習慣は、妊活中には見直したいところです。

お酒を飲みすぎると、

  • 体重が増えやすい
  • 睡眠が浅くなる
  • 血圧や肝機能に影響しやすい
  • 食べ過ぎにつながる
  • ホルモンや精子の状態にも影響する可能性がある

といったことが考えられます。

夫婦でできる、現実的なお酒の減らし方

  • 週に2日は「飲まない日」をつくる
  • 家では最初の1杯だけにする
  • 2杯目は炭酸水やノンアルコールにする
  • 寝るためのお酒をやめる
  • 飲んだ後のラーメンや揚げ物を習慣にしない

「禁酒して」ではなく、
「一緒に身体を整えて、赤ちゃんを迎える準備をしよう」
という伝え方のほうが、夫婦で続けやすいかもしれません。


3.タバコは、妊活のタイミングでやめたい 🚭

妊活中に、女性だけが禁煙や生活習慣の見直しをしているケースがあります。

しかし、喫煙は男性側にとっても無関係ではありません。

タバコは血管に負担をかけ、酸化ストレスを増やし、精子の状態や性機能に影響する可能性があります。

また、妊娠した後も、受動喫煙はパートナーや赤ちゃんにとって大切な問題です。

禁煙は意志の強さだけで乗り切るものではありません。
禁煙外来など医療の力を借りることも、立派な選択です。

精子は「今日の生活」ではなく、数か月前の生活を映します ⏳

精子は、一晩で良くなったり悪くなったりするものではありません。

精子がつくられ、成熟するまでには、ある程度の時間がかかります。

つまり、

  • ここ数か月の睡眠
  • 食事の内容
  • お酒の量
  • 喫煙
  • 体重の変化
  • ストレス
  • 発熱や体調不良

などが、精子の状態に反映される可能性があります。

だから妊活では、

「今月だけ頑張る」ではなく、
夫婦で3か月ほど生活を整えてみる

という視点がとても大切です。

女性だけが「妊活の責任」を背負わなくていい 🌿

女性は、排卵日を気にし、基礎体温をつけ、食事を見直し、通院し、検査を受け、時には治療の痛みや不安にも向き合います。

その中で、

「夫は今まで通りお酒を飲んでいる」
「夫は検査を受けたがらない」
「夫に真剣さが伝わらない」

と感じると、とてもつらくなります。

でも、それはわがままではありません。

妊活を二人のこととして考えてほしい。
一緒に身体を整えてほしい。
一緒に悩み、一緒に向き合ってほしい。

そう思うのは、自然なことです。

女性だけが努力するのではなく、男性も自分の健康を見直す。
そのことは、妊娠のためだけではありません。

将来の糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、心臓や血管の病気、性機能の低下などを予防することにもつながります。

夫に伝えるなら、責めずにこう言ってみてください 💬

妊活の話は、夫婦でもとてもデリケートです。

「あなたが悪い」
「お酒をやめて」
「太っているからだよ」

と言われると、男性側も身構えてしまうかもしれません。

そんなときは、次のような言葉がおすすめです。

「私だけが頑張るより、二人でできることをやりたいな」
「あなたの健康も、これからの家族のために大事だと思う」
「一緒に少し歩いたり、お酒を減らしたりしてみない?」
「一度、二人で検査について話してみようか」

夫婦の間に必要なのは、正しさをぶつけることではなく、
同じ方向を向くことなのかもしれません。

男性側も検査を考えたほうがよいサイン 🏥

次のようなときは、男性側も早めに検査や泌尿器科への相談を検討しましょう。

  • 妊娠を希望して1年以上たっても授からない
  • 女性側の検査だけが進んでいる
  • 夫が精液検査を一度も受けたことがない
  • 夫の体重増加や肥満が気になる
  • お酒を毎日たくさん飲む
  • タバコを吸っている
  • 勃起、射精、性欲の低下などがある
  • 糖尿病、高血圧、脂質異常症がある
  • 精巣の痛み、腫れ、左右差などがある

精液検査は、「男性を責めるため」の検査ではありません。

今の状態を知り、夫婦で次の一歩を考えるための検査です。

早めに確認することで、生活改善や治療の選択肢を考えやすくなります。

まとめ

女性に伝えたいこと、そして男性に伝えたいこと 🌸

妊活中の女性へ。

あなたが一人で抱え込む必要はありません。
生活習慣を見直すことも、検査を受けることも、通院することも、夫婦で取り組んでよいことです。

そして男性へ。

太っているなら少し痩せる。
お酒を飲みすぎない。
タバコをやめる。
睡眠を取る。
必要なら検査を受ける。

その一つひとつは、パートナーのためだけではありません。
自分自身のこれからの健康と、家族の未来のための行動です。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、病気だけを見るのではなく、患者さんとご家族がより健やかに、自分らしく人生を歩めることを大切にしていきます。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞