喘息という病気は、我々と共に生活をするパートナー
はじめに、みなさんにお知らせしたいことがあります。
それは、「喘息が治まったからといって、通院をやめるべきではない」ということです。
多くの人が、症状が軽減したり消えたりしたときに、通院や薬の服用をやめてしまいがちですが、これは大きな誤解です。
薬を中止するとどうなる?
喘息は、長期間にわたって管理を必要とする慢性的な病気です。
一度症状が治まっても、それはあくまで一時的な安定期にすぎません。
ここで通院をやめてしまうと、次第に体調が悪化して再び症状が出ることがあります。
それは、通院と薬が喘息の症状をコントロールし、発作を防ぐ役割を果たしているからです。
通院と薬は、喘息の状態を維持するための非常に重要なツールです。
これを怠ると、喘息のコントロールが難しくなり、結果的に病状が悪化する可能性が高まります。
症状が出て薬を再開した場合
再燃した場合、症状が以前よりもひどくなることもあります。
これは、「喘息の悪化スパイラル」のような現象で、症状が悪化することでさらに病状が進行し、通院や治療が困難になる恐れがあります。
では、なぜ多くの患者さんがこの事実を認識していないのでしょうか?
通院が途絶える理由
それは、症状が消えた時点で「治った」と思い込むことが一因かもしれません。
しかし、喘息は「完治」する病気ではなく、「管理」する病気です。
症状が消えたときでも、それは薬や通院による病状管理が成功している証拠なのです。
したがって、喘息の症状が改善されたからといって通院をやめることは、喘息の状態をコントロールするための大切なツールを捨てるようなものです。
症状が無かったらどうするか
症状が良好なときこそ、その状態を維持するために、医師と定期的にコンタクトを取り、適切な治療を続けることが重要です。
喘息という病気は、我々と共に生活をするパートナーのようなものです。
一緒に生活するためには、適切な理解と管理が不可欠です。
私たち医療スタッフは、皆さんが喘息と上手に共存できるよう、全力でサポートします。
今日からでも遅くはありません。通院と薬を正しく理解し、喘息というパートナーと健康な生活を送るための第一歩を踏み出しましょう。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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