CPAP治療の継続が難しい方へ ~その理由と対策~
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療でCPAP(持続陽圧呼吸療法)を使っている患者さんも多いかと思います。
CPAP治療は、いびきや無呼吸による健康リスクを抑えるために非常に有効な方法ですが、
「続けるのが難しい」と感じることもあるのではないでしょうか?
今日は、CPAPの継続が難しくなる理由と、その対策についてお話しします。
1. 装着感や違和感がある
CPAPのマスクは装着感に慣れるまで時間がかかることがあります。特に初めて使う方は「窮屈だ」「息苦しい」と感じるかもしれません。
対策:
- マスクの種類を変更: フルフェイス、鼻マスク、鼻孔カニューレなど様々なタイプがあります。ご自身に合ったマスクを選ぶことで快適さが大きく改善されます。
- フィッティング調整: 医療機関や業者に相談して、フィッティングを見直しましょう。わずかな調整が快適さに大きく影響します。
2. 音が気になる
CPAP装置の動作音が気になり、眠れないという方もいます。
対策:
- 静音モデルの選択: 最近のCPAP装置は非常に静かですが、気になる場合はより静音性の高いモデルに変更を検討してください。
- 設置場所を工夫: CPAP装置をベッドから少し離れた位置に設置すると音が気になりにくくなります。
3. 乾燥感や鼻づまり
空気が直接送り込まれるため、喉の乾燥や鼻づまりが起きる場合があります。
対策:
- 加湿器を使用: CPAP装置に加湿器を付けることで、乾燥感が大幅に軽減されます。
- 温度調整: 冬場はホースが冷えて結露することがありますが、温度調整機能付きの機器で快適さが向上します。
4. 使用するモチベーションの低下
症状が軽減されると「もう使わなくてもいいかな」と思うことがあります。
対策:
- 定期的な医師との面談: 睡眠検査結果や日中の体調を医師と共有し、治療の必要性を再確認しましょう。
- 目標を明確に: 健康寿命を延ばすために治療を続けるという意識を持つことが重要です。
5. 外出や旅行時の不便さ
CPAPを持ち運ぶのが面倒で、旅行や出張時に治療を中断してしまうことがあります。
対策:
- 旅行用CPAP装置: 軽量でコンパクトなCPAP装置が販売されています。旅行や出張時にも便利です。
- 電源オプション: バッテリー対応のCPAPもあるので、コンセントが使えない環境でも安心です。
CPAP治療を継続するためのサポート
CPAP治療は継続が重要です。一時的に使えない日があっても、次の日から再び使用を続けることが大切です。
当クリニックでは、CPAPの使用でお困りの患者さんをサポートしています。
些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。一緒に対策を考えて、快適な治療を続けられるようお手伝いいたします。
治療は続けることで効果が現れます。CPAPの使用が難しいと感じても、諦めずに改善策を試してみましょう。
また次回の診察時に気になる点をお話しいただければと思います。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼