病気は「症状を抑える」だけでいいのか?

〜対症療法・救急医療の限界と、根本治療・予防医療の重要性〜
こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
医療の現場では、日々たくさんの患者さんが「苦しい」「痛い」という症状を抱えて来院されます。
医師として、まず症状を軽くすることはとても大切です。咳が止まらなければ吸入を、胸が痛ければ鎮痛を、発熱がつらければ解熱を――これらは「対症療法」と呼ばれ、救急医療を含めて人の命を守る第一歩になります。
しかし、ここで立ち止まって考える必要があります。
「症状を抑えること」と「病気を治すこと」は本当に同じでしょうか?」
対症療法は「応急処置」にすぎない
例えば心筋梗塞。
昨日まで元気だった人が突然倒れ、救急車で搬送され、心臓カテーテル治療を受けて一命を取り留める――これは対症療法・救命医療の大きな成果です。
ただしその背後には、動脈硬化・生活習慣病・慢性炎症といった「根本原因」が横たわっています。
これらを放置したままでは、再発や別の病気を繰り返すことになります。
医学的に言えば、対症療法は「枝葉の火を消す」ことであり、本当の解決には「火種そのものを絶つこと」が必要なのです。
症状だけを追いかける医療の問題点
現代医療は、ときに「症状」ばかりに目を奪われます。
高血圧なら薬で血圧を下げる。糖尿病なら血糖を下げる。喘息なら発作を止める。
もちろん必要な処置ですが、
- なぜ血圧が上がったのか?
- なぜ血糖値が乱れたのか?
- なぜ炎症が起きやすくなったのか?
といった「根本原因」に迫らない限り、再び同じ問題が起きます。
これは医学が陥りやすい「リダクショニズム(細分化思考)」の罠でもあります。臓器ごと、数値ごとに細かく区切って治療を行うことで、全体像を見失ってしまう危険性があるのです。
薬の力と副作用の現実
薬は人類にとって大きな恩恵です。感染症を治し、喘息発作を抑え、命を救ってきました。
しかし一方で「副作用」という代償が存在します。
とある書籍では、「村を救うために畑ごと焼き払うようなもの」と表現されています。つまり、病気を叩くと同時に健康な組織にもダメージを与えてしまう。
抗がん剤、免疫抑制薬、抗生物質――どれも必要ですが、長期使用や乱用は体に新たな問題を生みかねません。
当院のスタンス:根本原因にアプローチする医療
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、薬や対症療法だけに頼らず、以下のような視点を大切にしています🌿
- 生活習慣の改善:食事・睡眠・運動・ストレス管理
- 腸内環境や呼吸機能の最適化:腸–肺・腸–脳の関係性を重視
- 予防医学:検査や生活習慣指導で病気の芽を早期に摘み取る
- 患者さん自身の力を引き出す医療:「自分の体を整える」主体性をサポート
薬はあくまでサポートツールであり、
「自分の体を良い方向に変える力」を引き出すことこそ本当の医療だと考えています。
まとめ
✅ 症状を抑える医療は必要。でもそれだけでは不十分。
✅ 根本原因に目を向けなければ、病気は繰り返す。
✅ 薬の力は大きいが、副作用という代償も忘れてはいけない。
✅ 真の治療は「予防」と「生活習慣改善」にある。
当院は「症状を和らげる」だけでなく、
**「未来の健康を育てる医療」**を目指しています✨
これからも患者さん一人ひとりに寄り添いながら、薬に頼りすぎない健康づくりをサポートしていきます😊
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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