『Tarzan』最新号「疲労回復」を読んで〜“疲れ”の正体は、糖化(AGE)かもしれません〜

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼
私は健康雑誌『Tarzan(ターザン)』を定期購読しています。
毎回、運動・栄養・睡眠・自律神経・アンチエイジングなど、非常に実践的で、「日常生活に落とし込みやすい健康情報」がまとめられており、医療者としても学びが多い雑誌です。
今回の特集テーマは、
「疲労回復」
でした。
現代人の多くが抱えている、
- 朝からだるい
- 寝ても疲れが抜けない
- 集中力が続かない
- なんとなく不調
- 夕方になると電池切れ
といった問題。
実はこれらは単なる“加齢”や“気合不足”ではなく、
「体の内側の炎症や老化」
と深く関係していることが、近年わかってきています。
そして今回、『Tarzan』の冒頭で紹介されていたのが、
AGE(糖化)
の話でした。
AGEとは?
Advanced Glycation End Products
(終末糖化産物)
の略です。
簡単に言えば、
「体のコゲ」
です。
糖とタンパク質が結びつき、体内で“焦げつき”のような反応が起きる。
パンの焼き色や、ホットケーキの焦げ目と同じ現象が、実は私たちの血管・皮膚・肺・脳でも起きています。
この糖化によって生じるAGEsは、
- 血管を硬くする
- 肌老化を進める
- 慢性炎症を引き起こす
- 疲労感を増やす
- 動脈硬化を進行させる
など、“静かに進む老化”の原因として注目されています。
「疲れやすい人」は糖化が進んでいるかもしれない
最近の研究では、
- 睡眠不足
- 血糖値スパイク
- ストレス
- 運動不足
- 喫煙
- 高温調理中心の食生活
などがAGE蓄積と関連すると言われています。
つまり、
“疲労”と“老化”は別問題ではない
ということです。
「最近、回復が遅い」
「以前より無理がきかない」
それは単なる年齢ではなく、
“糖化疲労”
の可能性もあるのです。
Tarzanでも紹介されていた「AGE測定」
今回の『Tarzan』では、腕を機械に乗せるだけでAGEを測定する機器が紹介されていました。
実は当院でも、
「AGE Reader mu」
を導入しています。
これは皮膚に特殊な光を当てることで、
- AGE蓄積レベル
- 糖化年齢
- 老化リスク
などを、わずか12秒・非侵襲で測定できる機器です。
採血不要。
痛みもありません。
最近は、
- “見た目年齢”
- “血管年齢”
- “体内年齢”
を気にされる方が増えていますが、
本当に大切なのは「体の内側の老化」
です。
健康診断では異常がなくても、
- 疲れやすい
- 肌の老化が気になる
- 睡眠の質が悪い
- 呼吸が浅い
- 慢性的にだるい
こうした方では、AGEが高くなっているケースもあります。
糖化は「肺」にも関係する
呼吸器科医として特に重要だと感じているのは、
AGEは肺機能低下とも関連する
という点です。
AGEsは肺の組織にも蓄積し、
- 肺の柔軟性低下
- 慢性炎症
- COPD
- 呼吸機能低下
との関連が報告されています。
つまり、
「呼吸の老化」
にも糖化が関わっている可能性があるのです。
これは喘息や慢性咳嗽を診る立場としても非常に興味深いテーマです。
AGEを減らすためにできること
糖化は“防げない老化”ではありません。
むしろ、
「生活習慣で改善可能な老化」
です。
当院でも患者さんにお伝えしているポイントは以下です。
① 血糖値スパイクを避ける
- 早食いをやめる
- 甘い飲料を減らす
- 野菜から食べる
- 夜遅い炭水化物を控える
これだけでも糖化対策になります。
② 調理法を変える
AGEは、
- 焼く
- 揚げる
- 焦がす
ことで増加します。
逆に、
- 蒸す
- 茹でる
- 煮る
など“水を使う調理”はAGEを抑えやすいと言われています。
③ 睡眠を軽視しない
睡眠不足は糖代謝を悪化させ、AGE蓄積を進めます。
「寝不足だと甘いものが欲しくなる」
これは脳と代謝の反応として自然な現象です。
疲労回復の基本は、やはり睡眠です。
④ 軽い運動を続ける
筋肉は“糖の貯蔵庫”。
歩くことは、最もシンプルな抗糖化習慣です。
激しい運動より、
- 毎日続けられる
- 呼吸が深くなる
- 血流が改善する
ことが重要です。
「疲れ」は未来からのメッセージ
今回の『Tarzan』を読んで改めて感じたのは、
疲労とは、“壊れる前のサイン”
なのだということです。
栄養ドリンクで一時的にごまかすだけではなく、
- 睡眠
- 食事
- 呼吸
- 血糖
- ストレス
- 糖化(AGE)
こうした“体の土台”を整えることが、本当の疲労回復につながります。
当院でも、単に病気を診るだけではなく、
「なぜ疲れるのか」
「なぜ不調が続くのか」
を、糖化・自律神経・生活習慣の視点から考える医療を大切にしています。
『Tarzan』は、健康を「根性論」ではなく、「科学」として分かりやすく伝えてくれる良い雑誌です。
今後も、診療や学会、日々の学びの中で感じたことを、“第二診察室”であるブログを通して発信していきたいと思います。
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
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