更年期に「痩せすぎ」が美容にも健康にも逆効果になる理由 by S.M.

更年期に
「痩せすぎ」が美容にも
健康にも逆効果になる理由
目指したいのは、体重を減らすことではなく、
年齢を重ねても元気で美しく動ける身体です。
こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 院長の山口裕礼です。
更年期に入ると、「以前より太りやすくなった」「お腹まわりが気になる」と感じる方が増えます。
すると、食事を極端に減らしたり、体重だけを落とそうとしたりする方もいます。
しかし更年期に大切なのは、ただ痩せることではありません。
痩せすぎや低栄養は、肌・髪・骨・筋肉・気分・睡眠にまで影響し、かえって「老け見え」や不調につながることがあります。
更年期に起こる「身体の変化」
なぜ更年期には、体型が変わりやすいのでしょうか?
更年期には、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が大きく変化します。さらに年齢とともに、筋肉量や活動量も低下しやすくなります。
- 筋肉量が減り、基礎代謝が落ちやすい
- 脂肪がつきやすく、とくにお腹まわりが気になりやすい
- 睡眠不足やストレスで食欲が乱れやすい
- ホットフラッシュや疲れで運動習慣が続きにくい
- 生活環境の変化で、自分のケアが後回しになりやすい
更年期の体型変化に対して必要なのは、「食べないこと」ではなく、筋肉を守りながら脂肪を増やしにくい生活へ整えることです。
「痩せていれば健康」ではない理由
体重が軽いことと、健康であることは同じではありません。
食事量を減らしすぎると、脂肪だけでなく、身体に必要な筋肉や骨を守るための栄養まで不足しやすくなります。
- タンパク質不足による筋肉量の低下
- 鉄・亜鉛・ビタミンB群などの不足
- カルシウム・ビタミンD不足による骨量低下
- エネルギー不足による疲れやすさ
- 食事制限による便秘、睡眠の乱れ、気分の落ち込み
「顔がやつれて見える」
「肌も髪も元気がない」 この状態は、“きれいに痩せた”とは言えません。
痩せすぎが美容に逆効果になる5つの理由
肌のハリやツヤが失われやすい
極端な食事制限では、タンパク質、鉄、亜鉛、必須脂肪酸などが不足しやすくなります。肌の材料が足りなくなると、乾燥、くすみ、ハリ不足、治りにくい肌荒れにつながることがあります。
顔がやつれて「老け見え」しやすい
体重が急に減ると、頬やこめかみなどのボリュームが落ち、影が目立ちやすくなります。しわやたるみが急に増えたように感じることもあります。
髪・爪まで元気を失いやすい
髪や爪も、身体に余裕がある時に育ちやすい組織です。栄養不足や鉄不足が重なると、髪のボリューム低下、抜け毛、爪の割れやすさなどが気になることがあります。
筋肉が減り、かえって太りやすくなる
食べないダイエットでは筋肉も減りやすくなります。筋肉量が減ると基礎代謝が下がり、以前と同じ食事に戻した時に脂肪がつきやすくなることがあります。
疲れやすくなり、姿勢や表情にも影響する
エネルギー不足が続くと、運動する力が出にくくなり、姿勢が崩れ、表情も沈みがちになります。美容は肌だけではなく、姿勢、歩き方、表情、活動性まで含めてつくられます。
健康面で見逃したくないこと
骨を守るためにも、痩せすぎには注意が必要です
女性では閉経前後から骨量が減少しやすくなります。
そこに低体重、食事量の不足、カルシウムやビタミンD不足、運動不足が重なると、骨の健康にとって不利な条件が増えていきます。
- 背が以前より縮んだ気がする
- 背中や腰が痛むことがある
- 軽く転んだだけで骨折したことがある
- 家族に骨粗しょう症や大腿骨骨折の方がいる
- 閉経後に急に体重が減った
このような場合は、骨密度検査を含め、早めに医療機関へ相談しましょう。
「痩せているのにお腹だけ出る」ことはありますか?
あります。
体重が軽くても、筋肉量が少なく、内臓脂肪が増えている状態は起こり得ます。見た目は細くても、体力や代謝の面では注意が必要なことがあります。
本当に見たいのは、体重の数字だけではありません。筋肉、体脂肪、腹囲、姿勢、歩く力、睡眠、食事内容、血液検査などを合わせて考えることが大切です。
更年期に目指したいのは「細い身体」ではなく「しなやかな身体」
食事で意識したいこと
更年期の食事は、極端に減らすよりも、必要な栄養を毎日きちんと入れることが大切です。
- タンパク質:魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など
- カルシウム:乳製品、小魚、豆腐、青菜など
- ビタミンD:魚、きのこ類、適度な日光 exposure
- 鉄・亜鉛:赤身肉、魚介、卵、大豆、ナッツ類など
- 食物繊維:野菜、海藻、きのこ、豆、果物など
「炭水化物を全部やめる」「脂質を完全に抜く」といった極端な方法は、続きにくく、栄養不足につながることがあります。
運動で意識したいこと
更年期の運動は、体重を落とすためだけではありません。筋肉、骨、睡眠、気分、姿勢を守るための大切な習慣です。
- 週に数回の軽い筋力トレーニング
- 早歩きや自転車などの有酸素運動
- 階段を使う
- スクワットやかかと上げを生活に取り入れる
- ストレッチで肩・胸・股関節をほぐす
頑張りすぎて続かなくなるより、無理のない運動を長く続けることが重要です。
美容医療を受ける時にも、食事と筋肉は大切です
シミ、赤み、乾燥、たるみなどに対して、美容医療やスキンケアが役立つことはあります。
しかし、肌を支える土台である睡眠、栄養、運動、ストレスケアが崩れていると、施術や化粧品だけでは満足しにくいことがあります。
食べること、眠ること、動くこと。
そして、自分を追い込みすぎないこと。 その積み重ねが、年齢を重ねた肌と身体を支えます。
医療機関へ相談した方がよいサイン
- 意図せず体重が減っている
- 疲れやすさ、息切れ、動悸が続く
- 食欲が落ち、食事量が減っている
- 抜け毛や爪の変化が急に目立つ
- 月経量が多い、月経不順が強い
- 背中や腰の痛み、身長低下がある
- 気分の落ち込み、不眠、不安が続く
- 自己流のダイエットをやめられない
「体重を減らす」より、
「未来の自分を守る」選択を
更年期は、身体が大きく変化する時期です。
だからこそ、若い頃と同じ基準で「もっと痩せなければ」と自分を追い込む必要はありません。
目指したいのは、数字だけで細くなることではなく、肌にツヤがあり、筋肉と骨が守られ、疲れにくく、毎日を前向きに過ごせる身体です。
更年期は、我慢して衰える時期ではありません。
これからの人生を、より自分らしく整えていくための大切な時期です。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口裕礼
投稿者プロフィール

-
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
最新の投稿
からだ整えラボ2026年7月4日美容は、健康が整った先にある
内科2026年7月4日姿勢が呼吸・印象・疲れやすさに与える影響
からだ整えラボ2026年7月4日筋トレ・有酸素運動が肌・気分・睡眠に与える影響
皮膚科2026年7月4日紫外線対策は“塗る”だけではなく“守る”こと by S.M.


