新国立劇場で魅せられた、デヴィッド・ビントレーの世界
感じてほしい生命への慈しみを
本日、新国立劇場の中劇場で開催されたスターダンサーズ・バレエ団「オール・ビントレー」プログラムに足を運びました。
この日、私たちはデヴィッド・ビントレー振付による3つの演目――「Flowers of the Forest」、「The Dance House」(日本初演)、そして特に期待されていた「雪女」(世界初演)を鑑賞しました。
Flowers of the Forest - スコットランドの風を感じて
ビントレーの「Flowers of the Forest」は、スコットランドの歴史を彷彿とさせる作品です。
アーノルドの「Four Scottish Dances」とブリテンの「Scottish Ballad」に合わせたダンスは、その土地の民族舞踊を思わせるもので、二部構成の中で光と影を表現していました。
ジャン・ブレイクの美術が、この作品の魂を見事に捉えていました。
The Dance House - 死と踊る
「The Dance House」は、死をテーマにした強烈なバレエで、日本初演でした。
ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」の生命力あふれる音楽とロバート・ハインデルのデザインが、この作品の感動を深めました。
友人の死を悼む作品でありながら、その中に見いだせる生の美しさと踊りが印象的でした。
この作品を通して、私たちはバレエの舞台上で生命を讃える美学を目の当たりにしました。
この美学は、バレエダンサーを通じて生命の美しさを描き続けたアメリカの画家、ロバート・ハインデルの芸術精神とも響き合います。
雪女 - 恐ろしくも切ない日本の物語
「雪女」は、小泉八雲の物語を基にしており、深い冬の夜、樵の巳之吉が遭遇する雪女の物語です。
この作品は、日本の伝説を基にし、恐ろしくも切ない物語を舞台化しています。
イーゴリ・ストラヴィンスキーの「妖精の接吻」という音楽とディック・バードの幻想的な美術が、この物語を一層引き立てました。
このような作品を見ると、ロバート・ハインデルが生涯に渡って描き続けた、バレエダンサーの躍動感やその背後にある人間の精神、生命の尊厳を感じさせます。
感想
この日の体験は、バレエという形式を超えた、生命と人間の精神性への深い洞察を提供してくれました。
デヴィッド・ビントレーの振付によるこの3作品は、それぞれ異なるテーマと感情を持ちながらも、ビントレーの創造性と深い洞察が光るものでした。
見る者に生命の脆さとその美しさ、そしてそれを祝福することの重要性を思い起こさせます。
特に「雪女」の世界初演は、新たなクラシックの誕生を感じさせる瞬間であり、観客に強い感動を与えました。
総監督小山久美さんのプレトークも含め、この日の体験はただのバレエ鑑賞を超え、一つの芸術としての深い理解と感銘を与えてくれました。
私は医師として、我々医療従事者にとってこのような機会は、尊い生命をより深く感じる素晴らしいものでした。
コロナ禍を経て世界で戦争が起こっている今、このプログラムには、小山様から世の中に対する大事なメッセージが込められているのだろうと感じます。
生命の尊厳とその脆弱性、そしてそれを守るために私たちができることについて、改めて考えさせられました。
デヴィッド・ビントレーと出演者全員に感謝し、また劇場での次なる発表を楽しみにしています。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックはスターダンサーズ・バレエ団を支援しています。
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