高齢者は要注意!黄砂による呼吸不全リスクと予防策


こんにちは
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
春はポカポカして気持ちがよく、お散歩や外出の機会も増えますね
でも、そんな春の空に“見えないリスク”が潜んでいるのをご存じですか?
それが、「黄砂(こうさ)」です
特にご高齢の方は、黄砂によって呼吸が苦しくなったり、体調を崩したりするリスクが高いため、注意が必要です
今回は、 なぜ高齢者が黄砂の影響を受けやすいのか
呼吸不全のリスクとは何か
今からできる予防策
をわかりやすくお伝えします
黄砂とは?ただの砂ではありません!
黄砂は、中国の砂漠地帯から飛んでくる細かい砂ぼこりです
でも、それだけではありません。
空気中を飛んでくる間に… 細菌やカビ
排気ガス
PM2.5(超微粒子)
有害な金属や化学物質
をくっつけて、日本にやってきます。
つまり、“ただの砂”ではなく、“よごれをまとった異物のかたまり”なんです
なぜ高齢者は影響を受けやすいの?
年齢とともに…
肺の働きが少しずつ弱くなる
免疫力が下がる
咳や痰を出す力が弱まる
心臓や腎臓に負担がかかりやすくなる
といった変化が起きてきます。
そこに黄砂が加わると…
肺が炎症を起こして息苦しくなる
酸素がうまく体に取り込めなくなる
急に動けなくなる、倒れるなどの呼吸不全リスクも
こんな症状が出たらすぐにご相談を!
以下のような症状があれば、黄砂の影響を受けている可能性があります
急に咳が出て止まらない
息を吸っても苦しい・浅い
声がかすれる・話しづらい
痰が増えた、色が濃くなった(黄色や緑)
いつもより歩くのがつらい
顔色が悪く、ボーッとする
こうしたサインは、「呼吸が弱っている証拠」です
迷わず受診してくださいね
高齢者のための黄砂対策7つのポイント
外出前に黄砂情報をチェック(スマホ・テレビ・天気アプリ
)
外出時は高性能マスクを着用(N95やKF94など
)
帰宅後はうがい・洗顔・鼻洗いを習慣に
部屋の窓はなるべく閉めて、空気清浄機を使う
洗濯物は部屋干しがおすすめ
水分をこまめにとる(痰が出やすくなります
)
持病がある方は、吸入薬や薬を忘れずに!
当院ではこんなサポートを行っています
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、 黄砂による咳や息切れの診察
肺の機能チェック(呼吸機能検査)
必要に応じた吸入薬・酸素療法の相談
ご家族へのサポートアドバイス
など、高齢の患者さんにも安心して受診いただける環境を整えています
まとめ
黄砂は高齢者にとって“見えないリスク”
肺や心臓に負担がかかり、呼吸不全の原因に
日々の生活の中で予防策を取り入れることが大切
「ちょっと変だな」と思ったら、早めに受診を
春のあたたかさの中にも、思わぬ落とし穴が潜んでいます。
ご自身やご家族の命を守るために、黄砂対策を忘れずに
- 山口裕礼
- 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
漢方コーディネーター
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士
管理健康栄養インストラクター
日本温活協会認定温活士
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ
ローズソムリエ®(バラ資格)


投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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