【黄砂とCOPD】春の息切れ、悪化していませんか?

こんにちは
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
「最近なんだか息がしにくい…」
「春になると咳や痰が増えるんです」
「吸入薬を使っても、ちょっと辛い気がする…」
そんな声が、春になると増えてきます。
その原因のひとつが、“黄砂(こうさ)”かもしれません
今回は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の方に向けて、
「黄砂がもたらす体調悪化のしくみ」と「対策」をわかりやすくお話します
COPDってどんな病気?
COPDは、タバコや大気汚染などの影響で肺の中が慢性的に炎症を起こし、
息が吐きにくくなる病気です。
息切れ
咳や痰
風邪をひくとすぐに悪化
などの症状がみられます。
気道が常に弱っている状態なので、空気の汚れにとても敏感なんです
黄砂とは?どうしてCOPDに悪いの?
黄砂は、中国の砂漠地帯から飛んでくる微細な砂ぼこり
でも問題は“ただの砂”ではないこと
黄砂には、空気中の細菌・カビ
PM2.5(超微粒子)
排気ガス
有害金属
などがくっついて日本までやってきます
これらを吸い込むと、肺に炎症を起こす
気道が狭くなる
痰が増える・咳が止まらない
といった症状が出て、COPDが急に悪化してしまうことがあります
2025年春は要注意!
今年(2025年)の春は、気象庁や環境省の予測でも「黄砂の飛来量が多い」
「大気の質が悪化しやすい」
と言われています。
つまり…暖かくて過ごしやすい春こそ、空気が危ない季節なんです
こんな症状があったらご注意を!
いつもより咳が増えてきた
痰の色が濃くなった(黄色・緑)
階段での息切れが早くなった
寝ているときに息苦しい
吸入薬の効きが弱く感じる
これらはCOPDの増悪(ぞうあく)サインかもしれません
悪化する前に、早めにご相談ください
黄砂による悪化を防ぐための生活術
外出時は高性能マスク(N95やKF94がおすすめ)
黄砂情報をチェックして飛散が多い日は外出を控える
帰宅後はうがい・鼻洗い・洗顔で黄砂をリセット
部屋では空気清浄機をフル稼働
吸入薬は症状がなくても毎日しっかり継続
痰が増えたら水分を多めにとる
苦しいと感じたら早めに受診
当院ではこんなサポートをしています
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、COPDの患者さんに対して 呼吸機能の定期チェック
吸入薬の使い方の確認と調整
黄砂・花粉シーズンの増悪予防指導
栄養・運動・酸素療法の相談
など、患者さんひとりひとりに合わせたサポートを行っています
まとめ
黄砂はCOPDを悪化させる“見えない敵”
2025年春は黄砂が多く、注意が必要
毎日の生活にちょっとした工夫を
咳・痰・息切れが増えたら、迷わず受診
春の空気を心地よく吸いこめる毎日のために、
「黄砂に負けない呼吸づくり」を一緒に始めましょう
- 山口裕礼
- 日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
日本喘息学会認定喘息専門医
日本内科学会認定内科医
日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士
内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー
漢方コーディネーター
日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士
管理健康栄養インストラクター
日本温活協会認定温活士
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ
ローズソムリエ®(バラ資格)


投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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