🧘‍♂️「歩くことで命が変わった」― 薬を最大限使っても変わらなかった80代の元社長が、再びゴルフを楽しめるようになるまで ―

こんにちは☀
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今回は、私が診ている80代の男性患者さんのお話を通じて、「歩くこと」の持つ驚くべき力と、“今ここを生きる”大切さをお伝えしたいと思います🍀

このエピソードには、「医療」と「生き方」の両方にヒントが詰まっています📘✨

🧓元社長が直面した“壁”

この患者さんは、かつて会社を率いた元社長。年齢は80代。
長年の喫煙歴などから、慢性気管支炎があり、ここ数年は「息苦しさ」との闘いの日々でした💨

肺の機能は限界に近づいており、日本で使える薬剤はすべて網羅し、最高レベルの治療を行っていました。

しかし…彼の大好きなゴルフにはもう行けず、気持ちは沈みがち。都内の最先端ドックに通っても、「もうできることはありません」と言われました。

…気持ちは、どん底でした。

🩺医師の友人がとった“ただ一つの行動”

そんな彼に、ゴルフ仲間でもある同年代の医師の友人が言った言葉は――

「とにかく、歩こう。」👣

そしてさらに、

「息が苦しくても、ゴルフに行こう。カートでも何でも使えばいい。」

この友人は、私の治療方針を「これ以上ない」と認めたうえで、治療のその先にある“生き方”を彼に示したのです。

最初は半信半疑だった患者さんも、その言葉に背中を押され、毎日の「散歩」を始めました。
本当に、ただ歩くだけ。

🚶‍♂️“歩く”という処方箋の力

この元社長は、無心になって毎日歩くことを始めました。
「歩く禅(歩行禅)」のように、ただ足を前に出す。
息苦しさを言い訳にせず、少しずつ距離を伸ばし――

歩くことで、体と心に少しずつ変化が現れました✨

🥇① 体重が減った

お腹周りがスッキリ。これは横隔膜の動きを助け、呼吸がしやすくなる効果があります。

🥈② 息苦しさが軽くなった

肺活量そのものは変わらなくても、体全体の負担が減り、酸素の巡りが改善しました。

🥉③ 気持ちが前向きに

歩くことで自然と気持ちが軽くなり、生活にリズムが生まれました。
「動ける喜び」が、生きる力につながったのです。

⛳ついに、あの日がやってきた!

ある日、久しぶりにその友人医師と一緒にゴルフに出かけたそうです🏌️‍♂️

最初はカートを使いながら、ゆっくりと。
でも、彼はコースを自分の足で歩いてまわりきりました

「もうゴルフなんて無理だと思っていたのに、またこうして芝の上を歩けるとは…」

「あの先生(友人医師)がいなければ、ずっと部屋でふさぎ込んでいたと思う。歩いて、仲間と笑って、またゴルフができた。それだけで、生きててよかったと思える。」

そう話してくださった後、こうも続けられました。

「もちろん、ここまで導いてくれたのは山口先生です。治療を続けてくださっていなければ、歩く気力も湧かなかった。」

その言葉に、私も思わず胸が熱くなりました😌

『📘「歩く力」を信じた、もう一人の“歩き続ける人”

今回の話を聞いて、私が思い出したのがこの方👇

大阿闍梨 塩沼亮潤(しおぬま りょうじゅん)さん

  • 大峯千日回峰行を満行した“歩きの達人”
  • 約9年間、1日48kmの山道を1000日間歩き続けた人物
  • その歩行を通じて、心と体、人間性を徹底的に見つめ続けてきた方です。

📚紹介したい「歩くこと」の本たち📚

『歩くだけで不調が消える 歩行禅のすすめ』

🟡 体と心の整え方を、日々の「歩く習慣」から実践的に紹介
🟡 忙しい現代人にも「今ここ」を感じさせてくれる一冊

『今ここをどう生きるか』

🟢 悩みがあるとき、迷ったとき、立ち止まって読みたくなる本
🟢 “完璧を目指さず、まず一歩”が大切と教えてくれます

『忘れて捨てて許す生き方』『春夏秋冬、自然に生きる』

🌱 どちらも、「こうあるべき」に縛られた心をほぐしてくれる作品
🌱 生活の中でできる“気持ちの切り替え”がテーマです

これらの本は、医療の現場に立つ私にとっても日々のヒントになります。
「治す」ではなく、「生きる」ことを考えるときにおすすめです📘✨

🧬「歩くこと」にある医学的な根拠

ではなぜ、歩くことがこれほどの変化をもたらしたのでしょうか?
科学的にも、数々のデータがその有効性を裏付けています🧠

✅ 有酸素運動による効果

  • 横隔膜が鍛えられ、呼吸が深くなる
  • 血液循環が改善し、酸素供給効率が向上
  • 体重減少により、呼吸筋の負担が軽減

✅ 認知機能・精神への影響

  • 歩行によってセロトニンが分泌され、うつ傾向が軽減
  • 希望感(hopefulness)が高まり、生きる意欲が増す

✅ 歩行と慢性呼吸器疾患の関連(文献)

  • COPDのリハビリにおいても、「毎日の歩行距離」が予後に大きな影響を与えることが研究で示されています(ATS/ERSガイドライン)

🌸まとめ:息が苦しい時こそ、“生き方”を見直すとき

彼の回復は、薬や検査では導けなかった「命の変化」でした。

✔️ 呼吸が苦しくても、生き方は変えられる
✔️ 一歩一歩が、心と肺を整える禅になる
✔️ 大切なのは、「今ここ」を歩む勇気🚶‍♀️

🍃最後に

今回の患者さんが示してくれたことは、

  • 「薬を出せば終わり」ではなく
  • 「生き方を支えること」が本当の医療

というシンプルで深いメッセージでした。

病気を診るだけでなく、「生きる力」に火を灯すこと。
それが医療の本質なのかもしれません。


📌本日ご紹介した書籍は、どれも深い学びを与えてくれます。
人生に疲れた時、立ち止まった時に、そっと開いてみてください📘✨

☘️あなたも、今日から一歩だけ

「息が苦しい」「元気が出ない」と感じるときこそ、
“たった一歩”でいいから歩き出してみませんか?👣

そして、もし不安なことがあれば、私たちにご相談くださいね。
医療と生活のバランスを、一緒に探していきましょう😊

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口裕礼(やまぐち ひろみち)

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)