🏝️【沖縄と医療のかたち】「病院に行かない?」その背景とユタの存在について考える

こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。
先日、看護学校での講義前にいただいた「ソーキ汁定食」があまりに身体にしみわたり…
ふと、沖縄の“医療文化”について考えさせられました。
🍲「医食同源」の島・沖縄から学ぶこと
ソーキ(豚の骨付き肉)に、大根・人参・昆布・フーチバー(よもぎ)🌿
まさに身体の芯から温まる、命のスープ✨
これは薬ではなく「食」がもたらす癒しです。
そんな沖縄には、もうひとつ興味深い特徴があります。
❓「沖縄の人は病院に行かない」って本当?
時折耳にするこの言葉――
実は、統計的にも一定の傾向は見られます。
沖縄県では、初期症状の段階で医療機関を受診する率が全国平均より低いという調査結果もあります📊
その理由には…
- 地理的要因(離島が多くアクセスが困難)
- 経済的・社会的背景
- そして何より文化的な価値観が大きく影響しています。
ただし、「全く病院に行かない」というのは誤解です。
重篤な症状や緊急性がある場合、多くの方は適切に医療機関を受診しています🏥
🧙♀️ユタの存在〜沖縄版スピリチュアル・ケア〜
沖縄には「ユタ」と呼ばれる霊的な相談役が存在し、今も地域社会で一定の役割を果たしています。
病気・家庭問題・人間関係に至るまで、心の問題に寄り添う“癒し手”として、相談する方も少なくありません。
ユタの語る言葉は、どこか薬膳や東洋医学にも通じます。
「病は心からくる。だから、心を整えれば身体も治るよ」
これは決して非科学的な迷信ではなく、現代医学でも注目される“心身相関”の考え方とも一致しています🧠💗
🌿医療とスピリチュアル、共存の知恵
現代医療は科学的根拠に基づいた「数値の世界」です。
しかし、ストレスや喪失感、心の揺らぎといった“目に見えない不調”に対しては、必ずしも万能とは言えません。
そこで沖縄では…
- 自然に触れながら
- 地に足をつけた暮らしをしながら
- 命のこもった食事をしながら
- 必要があればユタに相談しながら
自分の心と身体を見つめ直す――
そんな生活に根ざした医療以外の“癒し”の選択肢が息づいているのです🌅
🌞医師としての気づき:現代医療に足りないもの
医学の世界では「画像・数値・処方」が主軸になります。
でも、ときには
- 土を踏み
- 風に吹かれ
- 太陽を浴び
- 命のスープを飲む
そんな原始的でありながら本質的な営みが、体の奥に届く“もう一つの医療”なのではないかと感じます🌳

📝まとめ:医療だけじゃない“癒し”のかたち
沖縄では…
✅ 栄養価の高い薬膳的な食事
✅ ゆったりと流れる時間
✅ 自然との共生
✅ そしてユタのような癒し手
これらが医療の周辺にある大きな“支え”になっているのです。
私たち現代人は、つい「すぐ薬を飲む」「ネットで調べて不安になる」
そんな思考に偏りがちですが、
ときには「心と暮らしを整える」ことが、
最大の“処方箋”になるかもしれません🩺✨
📣最後に一言
病院に行く・行かないという二元論ではなく、
医療と生活が共にある世界を、沖縄の文化は教えてくれているのかもしれません。
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)