🕯️ナイチンゲールの灯火を受け継ぐ日

〜看護学校最終講義とともに想う、看護の原点〜

本日、看護学校での最終講義を迎えます。
4週間という時間の中で、未来の看護師たちと共に歩んできた日々。
その締めくくりとして立ち寄ったのが、校舎内に静かに佇むナイチンゲール像でした。

彼女が手に掲げるキャンドルの光は、まるで私たちの進む道を照らしているようでした。

🌟ナイチンゲールとは誰か?

フローレンス・ナイチンゲール(1820–1910)
彼女はイギリスの裕福な家庭に生まれながら、当時まだ“女性の職業”として認められていなかった「看護」の道を自ら選びました。

彼女の偉業を簡単に振り返ると…

  • クリミア戦争で衛生環境を大改革し、致死率を約42%→2%に改善
  • 病院設計や環境整備の重要性を説いた“環境理論”の提唱者
  • 世界初の看護学校を設立し、体系的な教育を築いた先駆者
  • 統計と図表を駆使し、政策提言も行った“実証主義者”

しかし、何よりも彼女が語り続けたのは、「看護とは人間と向き合う営みである」という哲学でした。

✍️ナイチンゲール誓詞に込められた想い

ナイチンゲールの精神は、「ナイチンゲール誓詞」として今日まで受け継がれています。

「心より医師を助け、わが手に託された人々の幸のために身を捧げん」

この一文には、
🟢 他者への奉仕
🟢 専門性への誇り
🟢 自らを律する覚悟
が凝縮されています。

看護は、ただの職業ではなく、「生き方」そのものなのだと、私はこの誓詞から何度も教わってきました。

💬名言に学ぶナイチンゲールの看護哲学

🕊️【名言①】

「看護とは、単に病気を治すことではない。自然の回復過程を助けることである。」

医療が進化しても、人の体が自ら治ろうとする力を支えるのが看護の本質
薬や手術だけではできない、“そばにいる力”が、確かにあるのです。

🌱【名言②】

「小さなことに思えることが、実は最も重要なのです。」

シーツを整えること、声をかけること、手を握ること。
それは“ささい”な行為ではなく、“最大の思いやり”です。
その積み重ねが、患者さんの安心と回復への道をつくっていきます

🔥【名言③】

「苦しみを理解しようとすること。それが看護のはじまりである。」

“治す前に、まず理解する”。
その姿勢なくして、看護は成り立ちません。
患者の言葉の奥にある不安や孤独に寄り添う――
それは、ナイチンゲールの時代から変わらない真理です。

🔦ナイチンゲールの灯火は、私たち一人ひとりの中にある

ナイチンゲールは、戦地の夜にキャンドルを持って負傷兵を見回った姿から
「ランプの貴婦人(Lady with the Lamp)」と呼ばれました。

その光は、過去のものではなく、今も看護の現場で生きています。
疲れていても、忙しくても、迷いながらでも…
患者の傍に立ち、静かに寄り添う私たちの手のひらに、その灯火はともっているのです。

🕯️おわりに|最終講義で伝えたいこと

看護学生たちに最後に伝えるのは、
知識は、目の前の誰かのために使ってこそ意味がある」ということ。

AI時代の到来にあっても、
ガイドラインがどれだけ整っても、
“人の心を癒せるのは、人だけ”です。

看護とは、科学でもあり、芸術でもあり、祈りでもある。
それを教えてくれたのが、ナイチンゲールでした。

「その手に託された人々の幸のために身を捧げん」
今日この誓いを、もう一度、自分の胸に刻みました。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)