🤰「妊娠・出産と喘息|母体と胎児を守る呼吸管理」

👉 妊婦喘息管理・ICS・LABA安全性・胎盤と免疫寛容・短期ステロイドの使い方

🌟「妊娠したら、薬は全部やめた方がいい?」にNOと答える理由

妊娠中は、体に起きるさまざまな変化に戸惑う方も多いですよね。
喘息のある妊婦さんからは、特にこんな声が多く寄せられます👇

「赤ちゃんに影響しないか心配で、吸入薬をやめたいんです…」

でも実は――
🚨 喘息を放置することのほうが、赤ちゃんにもリスクがあるのです。

🫁 妊娠中の喘息管理は“お腹の赤ちゃん”を守る医療!

喘息がコントロールされていない状態が続くと…

  • 酸素不足 → 胎児の発育不全・低出生体重児
  • 強い咳 → 子宮収縮を引き起こす可能性
  • 発作時の救急受診・早産リスク増加

これらのリスクを避けるためにも、
妊娠中の継続的な喘息治療が不可欠です💡

💊 ICS(吸入ステロイド)+LABA(長時間作用型β2刺激薬)の安全性は?

✅ 安心して使える吸入薬

  • ICS:フルチカゾン、ブデソニドなど → 妊娠中の安全性が確認されています
  • ICS/LABA合剤:シムビコート(ブデソニド+ホルモテロール)も、
     海外を含む多数のデータにより、妊娠中の使用は概ね安全とされています📚
  • そのほか多くのICS/LABA合剤

LABA単独は禁忌投与となるケースもありますが、
👉 ICSとセットになった吸入薬であれば妊婦さんにも広く使用されています

🔍 WHOや日本のガイドラインでも

「喘息が悪化することでの胎児リスク>吸入薬の影響」
とされ、吸入薬の継続が推奨されています。

💥発作が出てしまったら?短期のステロイド内服で命を守る!

妊娠中に喘息発作が起きた場合、必要に応じて短期の経口ステロイド(プレドニゾロンなど)が使われることがあります。

💡プレドニゾロンは胎盤で代謝されやすく、胎児に届きにくい性質があるため、
医師の判断のもと短期間・適正な量であれば胎児への影響は極めて低いとされています。

🛡️ステロイド内服のメリット

  • 呼吸困難や低酸素の進行を防ぐ
  • 早産や胎児へのストレスを回避できる
  • 入院リスクの低減

「薬を使わないほうが安全」と思われがちですが、
👉 必要なときに適切に使うことで、逆に母体と胎児を守ることができるのです。

🧬 妊娠中の“免疫の変化”と喘息の関係

妊娠中は、胎児を異物と認識しないための「免疫寛容」が働きます。
そのため、アレルギー性疾患のコントロールが変化しやすく、喘息も

  • 良くなる人(約1/3)
  • 変わらない人(約1/3)
  • 悪化する人(約1/3)

に分かれるとされます。

🌿定期的な診察・吸入管理で、妊娠中の呼吸を安定させておくことが大切です🩺

🏥 当院での取り組み|やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック

当院では、妊婦さんの不安に寄り添いながら、

✅ 妊婦さんに適した吸入薬の選択
✅ 栄養・生活習慣のサポート(第2診察室:ブログ)
✅ 必要時の短期ステロイド使用方針の説明

を行い、安心して出産を迎えるお手伝いをしています👶✨

🌼まとめ|薬と上手につきあうことが“赤ちゃんへの最善”

  • ICSやシムビコートなどの吸入薬は、妊娠中も使用可能👌
  • 放置より、きちんと治療を継続する方が母子の安全につながる
  • 発作時の短期ステロイド内服は命を守る選択肢

「妊娠中だからこそ、喘息管理をあいまいにしないこと」が大切です💖
不安があれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)