クリニックだより 皮膚科

気温が急に冷えた際のアトピー性皮膚炎における症状と予防、日常生活の工夫

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気温が急に冷えた際のアトピー性皮膚炎における症状と予防、日常生活の工夫

アトピー性皮膚炎を持つ方にとって、急な気温の低下は特に肌に影響を及ぼすことがあります。

乾燥や肌のかゆみ、炎症の悪化などの症状が現れやすくなり、日常生活での工夫や予防が重要です。

ここでは、気温が急に冷えたときに現れる症状やその予防策、日常生活での注意点をご紹介します。

気温が急に冷えた際に出る主な症状

気温が急に下がると、空気中の湿度も低下し、肌が乾燥しやすくなります。

特にアトピー性皮膚炎の方は、肌のバリア機能が弱いため、次のような症状が出やすくなります。

  • 肌の乾燥
  • かゆみの増加
  • 炎症の悪化
  • ひび割れや赤み

これらの症状は肌の健康に大きな影響を与えるため、早めの対策が必要です。

予防策

気温が急に冷えたときのアトピー性皮膚炎の予防には、次のポイントが役立ちます。

1. 保湿を徹底する

乾燥を防ぐために、肌の保湿を徹底しましょう。

入浴後や洗顔後すぐに、無香料・低刺激の保湿クリームやローションをたっぷりと塗布し、肌の水分をしっかり閉じ込めます。

2. 適切な入浴法

寒い時期には温かいお湯に長時間浸かりたくなりますが、熱いお湯は肌の油分を奪ってしまいます。

38〜40度のぬるめのお湯に短時間つかり、肌を守りながら体を温めることを心がけましょう。

入浴後はすぐに保湿を行うことが大切です。

3. 衣類選び

寒さを防ぐために重ね着をする際は、ウールやポリエステルなど刺激の強い素材を避け、綿素材や肌に優しい生地を選びましょう。

直接肌に触れる部分には特に注意が必要です。

4. 室内環境の工夫

室内の乾燥を防ぐために加湿器を使用し、適度な湿度(50〜60%)を保ちましょう。

また、暖房を使うときは湿度が低下しやすいので、濡れたタオルを干すなどして加湿を意識することが大切です。

日常生活の工夫

アトピー性皮膚炎を予防・管理するためには、日常生活の中でもさまざまな工夫が求められます。

1. ストレス管理

ストレスはアトピー性皮膚炎の悪化要因です。

リラックスする時間を設けたり、軽い運動を取り入れたりして、心身をリフレッシュさせましょう。十分な睡眠も重要です。

2. 食事の工夫

バランスの良い食事を心がけ、ビタミンCやEを含む食品を積極的に摂取することで肌の健康をサポートできます。

魚やナッツ類も、肌のバリア機能を助ける成分が含まれています。

3. 正しいスキンケア

肌を擦らずに優しく扱いましょう。

タオルで拭くときも肌をこすらず、軽く押さえるようにして水分を吸い取ると良いです。

保湿剤を塗る際も、手のひらでやさしく押さえてなじませます。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックでは、アトピー性皮膚炎に関するご相談や治療を丁寧にサポートしています。

肌の調子が気になる方や症状が悪化した場合は、お気軽にご相談ください。


投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。