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体が温まると皮膚がかゆくなる理由とは?

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体が温まると皮膚がかゆくなる理由とは?

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

「お風呂に入った後や暖房の効いた部屋で、皮膚がかゆくなる」という経験をお持ちの方はいませんか?

今回は、体が温まるとかゆみを感じる理由とその対策についてお話しします。

乾燥によるかゆみ

寒い季節になると空気が乾燥し、皮膚の水分量が減少します。

暖房を使用するとさらに乾燥が進み、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

乾燥した皮膚は刺激に敏感になり、かゆみを引き起こしやすくなります。

温度変化による血行促進

お風呂や暖房によって体が温まると血行が促進されます。

これにより、皮膚の毛細血管が拡張し、神経が刺激されることでかゆみを感じることがあります。

この現象は特に皮膚が敏感な方や乾燥肌の方に多く見られます。

汗による刺激

体が温まると汗をかくことがありますが、汗に含まれる塩分や老廃物が皮膚を刺激し、かゆみを引き起こすことがあります。

特に汗が蒸発する際に肌が乾燥しやすくなるため、さらにかゆみを感じやすくなります。

皮膚の過敏性

アトピー性皮膚炎や敏感肌の方は、温度変化や湿度の変化によって皮膚が刺激を受けやすく、かゆみを感じやすくなります。

このような場合、体温が上がることで皮膚の神経が反応し、強いかゆみを引き起こすことがあります。

基礎疾患の可能性

体が温まったときのかゆみは、以下のような疾患が関係している場合があります:

  • 乾癬(かんせん)
  • じんましん(温熱じんましんなど)
  • 慢性湿疹
  • 肝疾患や腎疾患に伴うかゆみ

これらの場合、皮膚科の受診をおすすめします。

かゆみを和らげるためのポイント

皮膚のかゆみを予防・緩和するには、以下の対策が有効です:

  • お風呂ではぬるめのお湯(38~40℃)を使用し、長時間浸からない
  • 入浴後には保湿剤をすぐに塗り、皮膚の水分を保つ
  • 室内の湿度を50~60%に保つ
  • 刺激の少ないスキンケア用品を使用する
  • 汗をかいた後は、速やかに汗を拭き取り保湿を行う

体が温まるとかゆみを感じる場合、日々のケアで多くの症状を軽減することが可能です。

ただし、かゆみが続く場合や症状が重い場合は、ぜひ当クリニックにご相談ください。

適切な診断と治療を提供させていただきます。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。