喘息と甲状腺機能の関係について

喘息と甲状腺機能の関係について:症状と治療のポイント

こんにちは。今回は、喘息と甲状腺機能の関係についてお話しします。

喘息をお持ちの方の中には、甲状腺機能に異常がある場合がありますが、その関係についてはあまり知られていないかもしれません。

ここでは、甲状腺機能が喘息にどのような影響を与えるのか、また、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症の具体的な自覚症状について詳しくご紹介します。

喘息と甲状腺機能の関連性

甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌する重要な器官です。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されたり、不足したりすると、体全体の機能に影響を与え、喘息の症状を悪化させる要因の一つとなることがあります。

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病):
    甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態で、全身の代謝が活発になり、心拍数や呼吸が速くなることがあります。

    この状態は、気道の過敏性を高め、喘息の症状を悪化させることがあります。


    また、バセドウ病では、動悸や手の震え、不安感などがみられることがあります。


  • 甲状腺機能低下症:
    一方、甲状腺ホルモンが不足すると、代謝が低下し、倦怠感や体重増加、寒がりなどの症状が現れます。

    この状態では、呼吸機能が低下し、喘息の症状を悪化させることがあります。


喘息と甲状腺機能の関係についてのポイント

  1. 因果関係の明確化:
    甲状腺機能の異常が喘息を直接引き起こすわけではありませんが、喘息の症状を悪化させる要因の一つです。

    また、甲状腺ホルモンが気道過敏性を高める可能性があることにも注意が必要です。


  2. 治療の相互作用:
    一部の喘息治療薬(例:β遮断薬)は甲状腺機能に影響を与えることがあります。

    このため、甲状腺疾患を抱える方は、薬の選択や調整が重要となります。


  3. 個人差の強調:
    喘息と甲状腺機能の関連性は個人差が大きく、すべての喘息患者さんが甲状腺異常を伴うわけではありません。

    そのため、症状の出方も個々で異なることを理解することが重要です。


甲状腺機能亢進症と低下症の具体的な自覚症状

甲状腺機能の異常に伴う主な自覚症状を以下に示します。

これらの症状がある場合は、甲状腺の検査を受けることをお勧めします。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状

  • 動悸(心臓が速く強く打つ)
  • 発汗過多
  • 体重減少(食欲があっても痩せる)
  • 手の震え
  • 不安感やイライラ感
  • 疲労感や脱力感

甲状腺機能低下症の症状

  • 倦怠感や疲労感の持続
  • 体重増加(特に食生活が変わらなくても)
  • 皮膚の乾燥やむくみ
  • 寒がり
  • 抜け毛や髪の薄毛化
  • 記憶力や集中力の低下
  • 便秘

治療と定期的な受診の重要性

甲状腺機能の異常が確認された場合、薬物療法や生活習慣の改善など、さまざまな治療法が選択されます。

喘息と甲状腺疾患の両方を抱えている方は、定期的な受診により、最適な治療を受けることが重要です。

当クリニックでは、喘息の治療だけでなく、甲状腺機能の検査も行っております。

気になる症状がある方は、早めに医師にご相談ください。

皆さんの健康をサポートするため、スタッフ一同お待ちしております。

どうぞお大事にお過ごしください。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート

環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)