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クリーニング業務の方向けの喘息管理 – 健康に働くためのヒント

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クリーニング業務の方向けの喘息管理 – 健康に働くためのヒント

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

クリーニング業に従事している方々は、お客様の衣類を美しく仕上げるために重要な役割を担っています。

しかし、クリーニング店の環境には、化学薬品の蒸気や粉塵など、喘息を抱える方にとって注意が必要な要因が多く存在します。

今回は、クリーニング業務に従事する方が健康を維持しながら安心して働くための喘息管理についてお話しします。

クリーニング業務が喘息に影響を与える要因

クリーニング業務は、喘息を抱える方にとって以下のような要因でリスクを高めることがあります。

  • 化学薬品の使用:洗剤や溶剤などの化学物質は、揮発成分を吸入することで気道を刺激し、喘息の発作を誘発することがあります。
  • 粉塵や繊維の飛散:衣類を扱う際に舞い上がる細かい繊維や粉塵も、喘息の症状を悪化させる要因になります。
  • 換気の不十分な環境:室内の換気が不十分だと、空気中の化学物質や粉塵の濃度が高まり、喘息を悪化させる可能性があります。
  • ストレスと長時間勤務:多忙な業務や長時間勤務は、体力的な負担とストレスを生み、喘息を悪化させる原因となります。

安全に仕事を続けるための具体的な対策

クリーニング業務の方が喘息を管理しながら安全に働くためには、以下の対策を取り入れることが有効です。

  • 防護マスクの着用:作業中は、防塵マスクや化学物質対応のマスクを着用し、吸入を防ぎましょう。
  • 換気を徹底する:作業場に換気扇を設置したり、窓を開けて定期的に換気を行い、空気中の化学物質を排出します。
  • 薬の携帯:吸入薬や予防薬を常に携帯し、必要に応じて迅速に使用できるようにしておきます。
  • 作業の合間に休息を取る:定期的に休憩を取り、深呼吸や軽いストレッチを行って体をリラックスさせます。

ストレス管理とリフレッシュ法

クリーニング業務は、体力と集中力を要するため、ストレスが溜まりやすい職場です。

ストレスが喘息を悪化させることもあるため、以下の方法で心身をケアしましょう。

  • 深呼吸やマインドフルネス:緊張をほぐすために、休憩時間に深呼吸や短い瞑想を取り入れると効果的です。
  • 温かい飲み物でリフレッシュ:温かいお茶やスープを飲むことでリラックス効果を得られます。
  • 軽い運動:業務後に軽いストレッチやウォーキングを行い、体の緊張を和らげます。

緊急時の対応

クリーニング業務中に喘息発作が起きた場合、次の対応を心がけてください。

  • 作業を中断し、安全な場所で安静を保つ:できるだけリラックスし、呼吸を整えます。
  • 吸入薬の使用:迅速に吸入薬を使用して症状を和らげます。
  • 症状が改善しない場合:症状が続く場合は、同僚に助けを求め、必要に応じて医療機関に連絡をしてください。

職場環境の改善

クリーニング業務の管理者は、スタッフの健康を守るための環境を整えることが重要です。

適切な防護具の提供、換気設備の強化、化学薬品の使用マニュアルの整備などが効果的です。

読者へのメッセージ

クリーニング業務は多くの人々の生活を支える大切な仕事です。

喘息を抱えていても、適切な対策を講じることで安全に働き続けることができます。

自分の体調を大切にし、無理せずに健康を第一に考えましょう。

当院では、クリーニング業務の方々が健康を維持しながら安心して働けるよう、サポートを行っていますので、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。