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のどの痛みから始まる咳 〜その原因と対応方法〜

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のどの痛みから始まる咳 〜その原因と対応方法〜

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

最近、「のどの痛みが治まった後、咳だけが続く」と心配される患者さんが増えています。

風邪の後の咳がなかなか治まらないと不安に感じることもあるでしょう。

そこで、今回はその原因と対処法について詳しくお話しします。

のどの痛みから始まる咳が長引く理由

風邪の後に咳が続く理由は、ウイルスが気道に炎症を引き起こし、気道が過敏になっているためです。

多くの場合、数日から1〜2週間で収まりますが、長引くと別の病気が疑われることもあります。

考えられる病気

ここでは、のどの痛みの後に咳が続く際に考えられる主な病気を紹介します。

1. ウイルス性気管支炎

気道が炎症を起こし、乾いた咳が続くのが特徴です。息苦しさを伴うこともあり、夜間に悪化することがあります。

2. 百日咳

「痙攣性の咳」が特徴で、特に夜間に悪化します。発熱が下がってからも咳が続く場合、百日咳の可能性があります。

3. 咳喘息

長引く乾いた咳が特徴で、温度変化やアレルゲンが引き金になることがあります。放置すると喘息に進展する可能性もあるため、早めの受診が大切です。

4. 喘息発作

喘息を持つ方が、風邪や気道の刺激によって発作を引き起こし、長引く咳を伴うことがあります。喘息の発作は、息苦しさや呼吸音(喘鳴)を伴うことがあり、適切な治療が必要です。

5. マイコプラズマ肺炎

発熱後に咳が長引く場合、マイコプラズマ肺炎の可能性も考えられます。特に、若年層に多く見られ、乾いた咳が数週間続くことがあります。

6. COVID-19感染

新型コロナウイルス感染症も、のどの痛みや咳の症状を伴うことがあります。発熱、全身の倦怠感、嗅覚や味覚の異常を伴う場合は特に注意が必要です。PCR検査などの検査を受け、適切な対応をとることが推奨されます。

7. 副鼻腔炎(後鼻漏)

副鼻腔に炎症が起き、喉に粘液が流れ込むことで咳が出ることがあります。特に夜間や横になったときに悪化することが多いです。

放置するとどうなる?

長引く咳を放置すると、睡眠不足や集中力の低下、さらには肺炎などの合併症を引き起こすこともあります。

これらは日常生活に大きな影響を及ぼすため、注意が必要です。

受診の目安

以下の症状がある場合は、早めに医師に相談してください。

  • 咳が2週間以上続く
  • 夜間や運動時に悪化する
  • 息苦しさや喘鳴がある

このような症状が続く場合には、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

早期の対応が、症状の悪化を防ぐ鍵になります。

セルフケアのすすめ

咳を和らげるために、ご自身でもできることがあります。

  • 十分な休息と睡眠
  • バランスの取れた食事
  • 定期的な水分補給

これらのセルフケアを心がけることで、症状の緩和を助けることができます。

まとめ

のどの痛みから始まる咳は、様々な原因が考えられます。ご自身の症状を観察し、少しでも気になることがあれば早めにご相談ください。

適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、日常生活を早く取り戻すことができます。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。