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喘息治療の目的とその先にある「寛解」について

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喘息治療の目的とその先にある「寛解」について

こんにちは、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

今回は、「喘息治療のゴール」について、患者さんに分かりやすくお話ししたいと思います。

喘息の治療を受けている多くの方が「この治療はいつまで続けなければいけないのだろう?」と不安を感じることがあるかもしれません。

実は、喘息の治療には完治を目指すのではなく、症状をしっかりとコントロールすることが目標として掲げられています。

喘息治療はなぜ完治が難しいのか?

喘息は気道の慢性的な炎症が原因で引き起こされます。

特定の環境や刺激に反応して気道が狭くなり、呼吸がしにくくなる症状が現れます。

このため、治療は炎症を抑え、発作を防ぐことに重点を置きます。

現在の医学では、気道の炎症を完全に取り除くことは難しく、そのため「完治」と呼べる状態には至りにくいのです。

しかし、治療を継続することで症状をうまく管理し、発作を防ぐことは可能です。

治療の最終目的はコントロール

喘息治療の最終目的は、患者さんが日常生活をできる限り制限なく送れるよう、症状をコントロールすることです。

適切な薬の使用により、発作の頻度を減らし、発作が起こった際の症状を軽くすることができます。

治療は継続が必要ですが、そのおかげで症状が収まり、長期的には薬の使用を減らしたり、中止したりすることも可能です。

この「薬を中止できる状態」を「寛解」と呼びます。

寛解とは?

「寛解」という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。

寛解とは、病気が完全に治ったわけではないものの、症状がほとんどなく、薬の助けを借りずに生活できる状態を指します。

喘息の患者さんにとって、寛解は一つの目標であり、希望でもあります。

日々の治療の積み重ねにより、喘息がコントロールされ、最終的に寛解に達するケースも多くあります。

治療の継続が大切な理由

治療を途中でやめてしまうと、症状が再発したり、悪化する可能性があります。

特に、症状が収まっているからといって自己判断で治療を中止することは避けるべきです。

医師と相談しながら、治療を段階的に進めていくことで、寛解に向けた計画を立てることができます。

まとめ

喘息治療は完治を目指すものではなく、症状をしっかりとコントロールすることが重要です。

そして、適切な治療を続けることで「寛解」にたどり着くこともできます。

喘息とともに生活することは時に大変ですが、私たちは患者さんが安心して日常生活を送れるよう、

全力でサポートいたします。治療に関して不安や疑問があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

あなたの健康を第一に、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックはいつでも寄り添います。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。