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辛い物で苦しくなる理由

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辛い物で苦しくなる理由

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

辛い物を食べたときに「息苦しい」「胸が苦しい」と感じることはありませんか?

これは主に唐辛子などに含まれる「カプサイシン」という成分が関係しています。

カプサイシンはTRPV1受容体と呼ばれるセンサーを刺激し、喉や気道に反応を引き起こすことがあります。

カプサイシンの刺激により、気道の粘膜が敏感になったり、呼吸がしづらくなったりすることがあります。

この反応は一時的なものが多いですが、過敏性や基礎疾患がある場合、強い息苦しさを感じることもあります。

辛い物で苦しくなる理由を考える

辛い物で苦しくなる理由は主に次の3つが考えられます。

  1. 気道の刺激
    カプサイシンが気道の粘膜を直接刺激し、痙攣や収縮を引き起こすことがあります。これにより息苦しさを感じる場合があります。
  2. 交感神経の活性化
    辛い物を食べることで交感神経が刺激され、心拍数の上昇や過呼吸のような状態になることがあります。これが胸の苦しさや息切れにつながる場合があります。
  3. アレルギーや気管支過敏
    辛い物の成分にアレルギーや過敏性がある場合、気道が狭くなり、呼吸がしづらくなることがあります。

特に注意が必要な場合

辛い物を食べた後に次のような症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 呼吸が苦しく、息が吸えない感じがする
  • 胸が締め付けられるような痛みがある
  • 唇や顔が青白くなる
  • 気道が腫れて声が出にくくなる

これらはアナフィラキシーや気道閉塞の可能性があり、迅速な対応が必要です。

苦しさを予防するには?

辛い物を食べる際に苦しくなることを防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。

  • 辛さを控える
    辛い物を摂取する際には、自分の体が慣れているレベルの辛さを選ぶようにしましょう。
  • 食事中の水分補給
    十分な水分を取りながら食べることで、刺激を和らげることができます。
  • 牛乳や乳製品を摂る
    カプサイシンを中和する効果があるため、苦しさを軽減することができます。
  • 食べるスピードを調整する
    急いで食べると喉や気道への刺激が強くなるため、ゆっくり食べることを心がけましょう。

基礎疾患がある場合は特に注意

喘息や慢性気管支炎、アレルギー性鼻炎などの基礎疾患がある方は、辛い物を食べることで症状が悪化することがあります。

体調に合わせて無理をせずに楽しむことが大切です。

適度に辛さを楽しむことが健康の秘訣

辛い物には新陳代謝を促す効果がありますが、無理をして食べると体に負担がかかることもあります。

ご自身の体に合った辛さを見つけ、適度に楽しむようにしてください。

当クリニックでは、気道や呼吸器の不調について専門的なアドバイスを行っています。

辛い物を食べて息苦しさを感じる方はお気軽にご相談ください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。