🌟新国立劇場バレエ団YOUNG NBJ GALA 2025 鑑賞記🌟

— 若き才能が舞う、“未来の主役たち”の輝きに心ふるえる午後 —

こんにちは☀️
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。

2025年7月13日、新国立劇場にて開催された
《YOUNG NBJ GALA 2025》
を鑑賞してまいりました。

若きダンサーたちが主役となるこのガラ公演は、まさに“新国立バレエ団の未来そのもの”を感じさせるステージでした。

👑前半はクラシック・バレエの真髄〜Pas de deux Selection〜

まず前半では、バレエファンにはおなじみのクラシック作品から、珠玉のパ・ド・ドゥが3演目披露されました。

技術と芸術性の両方が問われる演目でありながら、若きダンサーたちは堂々と、そしてしなやかに舞台を彩っていました✨

『海賊』より

堀之内咲希さん × 森本晃介さん

しなやかでダイナミックなパフォーマンスが印象的。

特に森本さんの跳躍は迫力満点で、堀之内さんの華やかなポーズとの対比が美しい!

舞台全体が一気に華やぎました。

『ラ・シルフィード』より

東真帆さん × 李明賢さん

幻想的で儚い空気感。まさに夢の中を漂っているかのような“柔らかさ”に包まれ、東さんの繊細な表現と李さんの優しいサポートが相まって、観客の心を優しく揺らしました。

『白鳥の湖』第3幕より(黒鳥)

花形悠月さん × 中村啓さん

黒鳥の妖艶な美しさと強さを体現した花形さんの踊りは圧巻。

音楽と完全にシンクロした強いアタックと、空間を支配するような存在感。

中村さんの気品あるパートナーリングも素晴らしく、まさに“見惚れる”瞬間の連続でした。

🌌後半は創作作品による挑戦と深化

クラシックの美に魅了されたあとは、新たな表現に挑戦する現代作品の時間。

NBJが世界に向けて提示する“新しいバレエのかたち”に、心が大きく揺さぶられました。

🔶【O Solitude】(振付:中村恩恵)

ヘンリー・パーセルのバロック音楽にのせて、孤独の哲学を身体で綴る作品。

静寂の中にある強さと希望を、舞台照明の陰影が繊細に彩り、まさに“沈黙の中で踊る魂”を見たようでした。

中島瑞生さんの表現力にはただただ感服。
特に中村恩恵さんらしい「呼吸を聴かせる構成」が印象的で、観客自身の感情をも呼び覚まされるような静謐な時間が流れていました。

🌌『The Theory of Reality』という“問いかけ”

— 現実とは何か?宇宙とは何か?人間はどこから来て、どこへ行くのか —

福田圭吾さんによる新国立劇場バレエ団への新作委嘱、そして世界初演作品。

タイトルは直訳すると「現実の理論」。
しかしこの舞台は、単なる科学的・哲学的な“テーマ作品”ではありませんでした。

むしろ、観客一人ひとりに「あなたにとって“現実”とは?」と問いかけてくるような、知的かつ情動的なコンテンポラリー作品でした。

🎭構成と音楽:身体で描かれる“宇宙の断片”

🧬音楽はTravis Lake

静けさの中に突如現れる不協和音、脈動するような低音、電子音的なシーケンス。
そこに合わせて、ダンサーたちの身体がときに有機的に、ときに機械のように動きます。

「秩序と混沌」「静と動」「中心と拡散」
こうした“宇宙の原理”にも似た対比が舞台上に繰り返し現れ、観客はいつの間にか“視覚的な宇宙”の中へと誘われていきます。

🌀冒頭:静けさと誕生

舞台全体が暗転し、ひとすじの光の中にゆっくりと現れるひとりのダンサー。
その動きはまるで、宇宙の始まり=ビッグバンの前の“無”を表しているよう。

やがて他のダンサーたちが加わり、“重力”“回転”“引力と反発”のような物理的概念を連想させるような構成で、群舞が展開されていきます。

👁️ストーリーや解釈:これは「宇宙の進化と人間の知性の目覚め」

『The Theory of Reality』は明確な物語バレエではありません。

しかし、そこには強い構造と哲学が感じられました。

私なりに読み解いたテーマは以下のような流れです:

①【宇宙の誕生】

無音から始まり、わずかな振動が生まれ、光が差し、動きが拡がっていく。

→ 無から有が生まれる瞬間。ダンサーの最初の呼吸や、一歩一歩の動きが“生命の萌芽”に感じられました。

②【物質とエネルギーのぶつかり合い】

男性ダンサーたちの緊張感あるデュエット、速くて複雑なカノンの動き。

→ 陽子や中性子、電子のような粒子のぶつかり合い、時空の誕生、エネルギーの法則性など“理論物理的世界”の表現。

③【秩序と混沌のあいだ】

群舞が渦を巻き、集団が生まれては崩れる。
空間に広がるようなリフトとフロアワーク。

→ 宇宙が膨張し、銀河や星が形成され、次第に“秩序”が芽生える。
同時に“混沌”も内在し、永遠に揺れ続ける状態。

④【人間の誕生と葛藤】

衣裳が変化し、より有機的・身体的な動きが増える。
ペアでのやりとりが多くなり、“感情”や“意思”のようなものがにじむ。

→ 宇宙の進化の中で、人間が知性と感情を持つようになる。
その“人間らしさ”ゆえに、苦悩も始まる。

⑤【存在の問い/Reality=現実の感覚】

群舞の終盤、すべての動きがふたたび静寂へ。
床に横たわる者、空を見上げる者、それぞれが「何かを問い続けている」。

→ 最後の静けさは、私たちがいま生きている「現実」そのもの。
バレエという“身体と言葉のない芸術”だからこそ、心の奥に残る“問い”が観客の中に沈殿します。

🧠なぜ難解に感じられるのか?

この作品はストーリーよりも「構造と思考」が中心。
ダンサーの動きひとつひとつが概念や原理の象徴になっており、見る人によって「意味が変わる」構造になっています。

まさに「現実(Reality)とは、見る人の数だけ存在する」というメッセージにも感じられました。

🩰演者の力量が試される舞台

特に目を引いたソリストたち。

動きに切れと深みがあり、難解なテーマの中でも“身体と言葉のあいだ”にあるような、深い表現力を発揮していました。

彼らがいなければ、ここまで知的で哲学的な作品が観客に届かなかったかもしれません。

✨まとめ:ダンスで“宇宙”と“自分”を見つめる時間

『The Theory of Reality』は、決して気軽に楽しめる作品ではありません。
しかし、観終えた後の余韻がとても深く、「生きているとは?」「人間とは?」といった根源的な問いを、静かに胸に置いていってくれるような作品でした。

芸術とは“感情”だけでなく“知性”にも触れるものなのだと、改めて感じさせてくれた一作です。

🕊️NBJの育成力に未来を感じる

今回のGALAは、単なる発表会ではなく、
「若き才能に“観客という舞台”を与える」という、NBJの本気の育成プログラム。

クラシックとコンテンポラリーを両方披露する構成により、ダンサーたちの振り幅と可能性がリアルに感じられました。

それぞれの演目に真摯に取り組む姿勢が、ひとつの“未来のプロフェッショナリズム”として観客に届いていました。

🎼あとがき:芸術にふれることで深まる「生きる力」

医師として、日々“身体”を見ている私にとって、バレエは命そのものの躍動。


筋肉や骨格、呼吸や重心のすべてが芸術として統合された舞台を目の当たりにすることで、自分自身の感性や洞察力も磨かれていくのを感じます。

芸術とは、“生きる感度”を取り戻す時間。
そんな気づきを与えてくれる、すばらしい午後でした。

出演された皆さま、そしてNBJ関係者の皆さま、
本当にありがとうございました✨

🍞バレエの前に、心も整うオーガニックランチ— Le Pain Quotidien

— Le Pain Quotidien(ル・パン・コティディアン)で学ぶ、毎日の食卓を整えるヒント — こんにちは🌿やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。 今日は新国立…

🫖私の“定番”ドリンクはこれ!— バレエの合間に、からだにやさしい「常温ジャスミンティー」を —

こんにちは🌿やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。 本日は、新国立劇場でのYOUNG NBJ GALA 2025鑑賞の合間に、ちょっとひと息☕セブンイレブンで購入し…

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞