――糸井重里さんと夏川草介さんが教えてくれた「古典」の力

📚 読んでも読まなくても、本はすごい
こんにちは😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長の 山口裕礼(やまぐち ひろみち)です。
先日、新聞のコラムを読んでいて、
とても印象に残る言葉に出会いました。
そこに紹介されていたのは、
🖋️ 糸井重里さんの言葉でした。
📰 糸井重里さんと『カラマーゾフの兄弟』
新聞には、こんな内容が紹介されていました。
糸井さんは、
「古典をちゃんと読んでおいたほうがいい」
と言われていた高校生の頃、
がまんして古典を読み始めたそうです。
そこで手に取ったのが、
📕 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』。
正直、最初は
「なんだ、古典だって読めば読めるんだ」
という気持ちだった。
けれど、読み進めるうちに、
👉 読み出すと、おもしろい
👉 古典はこわいものではない
ということが、
身体感覚として分かってきた――
そんな趣旨のことが書かれていました。
この一節が、とても印象的でした。
🐈 ふと思い出した一冊の小説
糸井さんの言葉を読んだ瞬間、
私の頭に自然と浮かんできた小説があります。
📘 夏川草介さん
『本を守ろうとする猫の話』
この物語の中には、
実にたくさんの古典作品が登場します。
ただしそれは、
「教養として紹介されている」のではありません。
むしろ、
古典が軽く扱われ、切り捨てられていく現代への
静かな警鐘として描かれているように感じました。
⏳ 便利な時代に、古典はなぜ邪魔になるのか
今の時代は、
📱 検索すればすぐ答えが出る
🎥 要約動画で分かった気になれる
⚡ 早く・短く・分かりやすく
が重視されます。
『本を守ろうとする猫の話』の中でも、
古典はこんなふうに扱われます。
❌ 分厚い
❌ 難しい
❌ 時間がかかる
❌ 効率が悪い
だから、
「要らないもの」
「処分すべきもの」
として排除されそうになる。
これは、
今の私たちの社会そのものでもあります。
🪨 古典とは「役に立たないもの」なのか?
糸井重里さんも、
夏川草介さんも、
共通して問いかけているのは、この点です。
👉 本当に、役に立たないのか?
👉 本当に、無駄なのか?
古典は、
✔ すぐ答えをくれない
✔ 読んでも分からないことが多い
✔ 成果が目に見えにくい
だからこそ、
人の中に沈殿する。
それはまるで、
地層のように、
静かに、確実に積み重なっていく思考です。
💊 医師から見た「古典」という存在
医師の立場から見ると、
古典は少し不思議な薬に似ています。
💊 飲んですぐ効くわけではない
💊 効いているかどうかも分かりにくい
💊 即効性はない
でも、
✔ 考え方
✔ 言葉の選び方
✔ 他人への想像力
✔ 不安への耐性
こうしたものが、
じわじわと体質のように変わっていく。
糸井さんの言う「沈殿」と、
夏川さんが描いた「守る」という行為は、
実は同じことを指しているように思えます。
📖 分からないまま読む、という勇気
『本を守ろうとする猫の話』に登場する古典は、
決して「完全に理解される存在」ではありません。
むしろ、
😵 難しい
😵 読みにくい
😵 分からない
まま、そこにあり続ける。
糸井さんの言葉からも、
「分からなくてもいい」
という姿勢が伝わってきます。
古典とは、
📚 今の自分のための本ではなく
📚 未来の自分が、ふと出会い直す本
なのかもしれません。
🌱 二人が伝えたかった共通のメッセージ
糸井重里さんと、
夏川草介さん。
表現の仕方は違っても、
伝えていることはとても似ています。
📌 古典を読めば賢くなる、という話ではない
📌 教養を誇るためのものでもない
そうではなく――
✨ すぐ分かるものだけで生きると、人は浅くなる
✨ 分からないものを抱え続ける力が、人を深くする
ということ。
古典は、
「答え」をくれる本ではなく、
考え続けるための場所なのだと思います。
🏥 医療と古典は、実はよく似ている
診察室で、
「すぐ治りますか?」
と聞かれることがあります。
もちろん、
💊 薬で改善することもあります。
でも、
🧠 生活
🧠 思考
🧠 人間関係
🧠 時間
が深く関係している不調も、とても多い。
すぐ答えを出さない。
すぐ結果を求めない。
その姿勢は、
古典を読むこととも、
どこか通じているように感じます。
📚 久しぶりに、古典を読もうと思った
新聞の一文と、
一冊の小説。
糸井重里さんの言葉と、
夏川草介さんの物語が重なって、
「古典を読もう」
と、久しぶりに思えました。
それだけで、
もう本は仕事をしているのかもしれません。
📌 まとめ
📖 古典は、すぐ役立つ本ではない
⏳ でも、人生のどこかで必ず効いてくる
🪨 分からないまま抱える力が、人を深くする
🐈 糸井重里さんと夏川草介さんは、その価値を静かに教えてくれる
📚 この年末年始、
答えを探すためではなく、
考え続けるために
古典を一冊、手に取ってみませんか?😊
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
院長 山口裕礼(やまぐち ひろみち)
投稿者プロフィール

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からだ整えラボ
① 医学=呼吸器・アレルギー
② 生活=腸・温活・食・睡眠・肌
③ 幸福=働き方・環境・園芸
“病気を診るだけでなく、人をまるごと診たい”
——その思いを胸に、学びを続けています。
医学的根拠 × 生活習慣 × 心の豊かさ
三位一体の医療をめざしています。
資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
機能的骨盤底筋エクササイズpfilAtes™認定 インストラクター国際資格← NEW✨
カラダ取説®マスター・ジェネラル
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー、アーユルヴェーダアドバイザー、快眠セラピスト、安眠インストラクター
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
<受賞歴>
第74回日本アレルギー学会学術大会「働き方改革推進奨励賞」受賞
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