クリニックだより

谷川俊太郎さんの詩に学ぶ:自分勝手と自分らしさの違い

—「生きる」ことの中で本当に大切にしたいもの—

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの患者の皆さまへ。

病気や日常の困難な状況に置かれると、「どう生きるべきか」、そして「自分の本当の生き方は何か」と悩むことがあるかもしれません。

特に、「自分らしく生きること」と「自分勝手な生き方」を混同してしまうこともあるでしょう。

詩人・谷川俊太郎さんの作品は、そんな問いに静かに答えを投げかけ、私たちに生きる意味を改めて考える機会を与えてくれます。

彼の代表作「生きる」や「二十億光年の孤独」を通じて、両者の違いについて考えてみましょう。

自分勝手とは

「自分勝手」とは、自分の欲望や快適さを最優先にし、周囲の人々の気持ちや意見を無視する行動を指します。

谷川俊太郎さんの詩は、人間が自分の感情や感覚に正直に生きることの美しさを描く一方で、孤独やつながりの重要性をも示しています。

詩「二十億光年の孤独」では、広大な宇宙の中で人間がどれほど小さく、時に孤独を感じる存在であるかを語り、「ひき合う孤独の力」という表現で、人と人が求め合う自然な姿を描きます。

自分勝手な生き方は、他者とのつながりを見失い、孤独を深める原因になるかもしれません。

自分らしさとは

一方、「自分らしさ」とは、自分の価値観や感情に忠実でありながらも、他者を尊重し、周囲との調和を大切にすることです。

谷川さんの詩「生きる」では、「木漏れ日がまぶしい」「くしゃみする」といった日常の何気ない体験を通じて、私たちが自分自身の感覚を大切にすることの意味を伝えています。

これらは、自分の生きる瞬間に正直であることで得られる喜びです。

しかし、その中で他者と手をつなぐ場面も詩に描かれ、私たちが自分だけでなく、他者と共に生きることの美しさも語られています。

自分勝手と自分らしさの違い

谷川俊太郎さんの詩から学べるのは、「生きる」ことには、自分の感覚を大切にすることと、他者との関係を尊重することの両方が含まれているということです。

自分勝手な生き方は、他者に対する配慮が欠け、自分のことだけを考えて行動します。

一方で、自分らしさを持って生きることは、自分自身を尊重しながらも、他者を思いやり、関係を大切にするものです。

患者の皆さまへのメッセージ

日々の中で、どう生きるべきか迷うこともあるでしょう。

病気や困難な状況に置かれたとき、自分の気持ちに正直に、自分らしく生きることを恐れないでください。

しかし、同時に周りの人々の支えやつながりを大切にしてください。

谷川俊太郎さんの詩は、私たちがどんな状況でも、「生きる」ことを通じて自己を発見し、他者とのつながりの中でその意味を見つける手助けをしてくれます。

生きることの中には、自分の中にある感情や経験を受け止めること、そしてその中で他者との関係を築いていくことが含まれます。

患者の皆さまが、谷川俊太郎さんの詩に触れ、自分の心を大切にしながらも周囲との調和を見つけていけるよう願っています。

どんな時も、あなたらしく、心穏やかに生きる道を歩んでください。

やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。