三郎の物語が語る「手を差し伸べる意味」
ドラマ「光る君へ」で、まひろが死にゆく道長に語る三郎を主人公にした物語。
この中で「三郎が手を差し伸べた時に小鳥が戻ってくる」という描写があります。
この場面には、飛び去った鳥が戻るという象徴的な動きが、別れや希望、再会を重ねて描かれています。
中島監督は、この物語について「三郎のアナザーストーリーとして、まひろ自身の人生や道長との思い出を反映したもの」と語っています。
鳥が戻るというイメージには、道長とまひろのつながり、そしてそれがもたらす癒しや希望の象徴が込められているのかもしれません。
戻る鳥、そして飛び立つ鳥
物語の中で、戻る鳥は「失われたものが再び戻る」という希望を表しているように感じられます。
飛び立った鳥が再び戻ることで、心の中の喪失感が癒され、安らぎを得られる瞬間を描いているのです。
しかし、監督が語るように、最終的にまひろ自身は「飛び立つ鳥」として新たな旅路に出発します。
これは、悲しみの中でも未来に向かって進む意志を象徴しているようです。
人生の中で、私たちも別れや喪失を経験します。
その中で、戻る鳥がもたらすような希望と癒しの瞬間を得ることで、新たな一歩を踏み出す勇気が生まれるのではないでしょうか。
「別れの中に宿る希望」
三郎の物語に描かれるように、手を差し伸べることは、希望や再会の可能性を生み出します。
現実でも、人に手を差し伸べる行為は、互いに心の支えとなる瞬間を作り出します。
それは、家族や友人、医療者と患者との間でも同じです。
飛び去った鳥が戻るように、たとえ一度失ったと感じるものでも、それが心の中で再び生きる瞬間があることを信じてみてください。
そして、飛び立つ鳥が象徴する新たな出発の力を受け入れることが、未来への希望となるはずです。
患者さんへのメッセージ
この物語が伝えるように、失われたと思ったつながりや希望が、思いがけない形で戻ってくることがあります。
そして、そこから新たな旅立ちが始まるのです。
日々の生活の中で、過去の記憶や人とのつながりを大切にしながらも、未来に向けて歩みを進める勇気を持ってください。
手を差し伸べ、戻る鳥を迎え入れる心と、飛び立つ鳥のように新たな一歩を踏み出す力を大切にしてほしいと思います。
あなたの人生が、希望と癒しに満ちた旅となりますように。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック 山口裕礼