🐷【第2回】ゼラチンに要注意⁉~グミに潜む「動物性タンパクアレルギー」の落とし穴~

こんにちは。
やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です🌿
前回の【第1回】では、「グミでアレルギー⁉」という私の臨床的な気づきについてご紹介しました。
今回は、グミの主成分のひとつであるゼラチンに注目して解説します👀✨
🧪ゼラチンって、何からできてるの?
グミのぷにぷに食感を生み出しているのが「ゼラチン」🐻
実はこのゼラチン、動物の皮膚や骨、腱などから抽出されたコラーゲンが主成分なんです。
主な由来:
- 🐷ブタ由来ゼラチン
- 🐮ウシ由来ゼラチン
- 🐟 魚由来ゼラチン(マリンゼラチン)
ゼリー、プリン、マシュマロ、ソーセージ、さらには医薬品のカプセルやワクチンにも使われています💊
⚠️ゼラチンアレルギーってどんな症状?
ゼラチンによるアレルギー反応は、IgE抗体を介する「即時型アレルギー」で、以下のような症状が出ることがあります:
🌀 発疹・じんましん
🌀 顔やまぶたの腫れ
🌀 喘鳴(ぜいぜい)・咳・呼吸困難
🌀 嘔吐・腹痛
🌀 アトピー性皮膚炎の悪化
🌀 重症化するとアナフィラキシーショック💥
特に、「赤身肉アレルギー(アルファ・ガル症候群)」の方はブタやウシ由来のゼラチンでも反応する可能性があります。
🧬ゼラチンアレルギーと交差反応とは?
交差反応とは、似た構造の物質に体が同じように反応してしまう現象です。
たとえば…
🦟マダニに咬まれたあとに赤身肉アレルギーを発症した人が、ブタ・ウシゼラチンに反応
🐟魚アレルギーの人が、魚由来ゼラチンに反応
つまり、自分が知らないうちにゼラチンへの感作(=アレルギーを起こしやすい状態)になっていることもあるんです💡
💉医療機関でも注意が必要な理由
ゼラチンは医薬品やワクチンにも含まれていることがあります。
たとえば、以前の日本では、ゼラチン入りワクチンでアレルギーが相次いだ時期がありました。
✅ 過去にワクチン接種で具合が悪くなったことがある方
✅ カプセルの薬でかゆみや蕁麻疹が出たことがある方
👉 こうした方は、ゼラチンアレルギーの可能性も視野に入れて診察を受けてくださいね💊
🍬「植物性グミなら安全」は本当?
最近はゼラチンの代わりに「ペクチン(果物由来)」を使ったグミも増えています。
でも、これも油断は禁物⚠️
👉 ナッツ(特にカシューナッツ)との交差反応性が報告されており、
ペクチンでもアナフィラキシーが起きた症例があります😱
📝患者さんへのアドバイスまとめ
✔️ 成分表示で「ゼラチン」の有無をチェック
✔️ 「赤身肉アレルギー」「マダニに刺された経験」がある方は特に注意
✔️ 医薬品やサプリのカプセルにもゼラチンが含まれることがあるので相談を
✔️ 「植物性だから安全」と思い込まず、ナッツアレルギーの方はペクチンにも注意
📘次回予告
👉【第3回】色に注意⁉グミの「着色料」が体に与える影響とは🎨
最後に🌟
私たちは、日々の“何気ない食習慣”が、体質に大きく影響することを見逃しがちです。
今回の内容が、ご自身やご家族の健康を見直すヒントになれば幸いです😊💡
投稿者プロフィール

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資格:
<医学・医療>医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート
<予防医学・代替医療・環境>
環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本フェムテックマイスター協会公認フェムテックマイスター®上級、公認妊活マイスター®Basic、日本スキンケア協会認定スキンケアアドバイザー、メンタル士心理カウンセラー
<文化・生活>
日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)
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