薬と幸せ:多様な視点から考える

薬と幸せ:多様な視点から考える

週刊誌などで、「薬は悪い」というような記事を見かけることがあります。

確かに、薬には副作用などのリスクも存在します。

しかし、薬は病気の治療や症状の緩和に大きく貢献し、私たちの生活の質を高めてくれるものです。

当院では、多くの高齢者が受診し、様々な薬を使用しています。

88歳でとても元気な患者も多く、中には幸せすぎて涙を流す患者もいます。

薬によって、痛みや苦しみから解放され、充実した生活を送ることができているのです。

もちろん、薬なしで生きていくという選択肢もあります。

世界一幸せな国といわれるブータンは、薬にはあまり頼らない生活を送っています。

ブータン政府は国民の健康を非常に重視しており、伝統的な医療と西洋医療のバランスを取りながら、質の高い健康サービスを提供しようと努めています。

国は伝統的なブータン医学(身体、言葉、心の3つの基本要素のバランスに重点を置き、人間の健康を維持するための総合的なアプローチ)を重視していますが、近年では西洋医学の施設や治療法も広く利用されており、国民の健康向上に大きく寄与しています。

一方、ブータンの平均寿命は約72歳であり、医療の改善や生活習慣の変化により徐々に向上しています。

これは、高度な医療システムと健康への意識が高い日本の約84歳と比較すると短いですが、ブータンにおいても健康への取り組みが進んでいることを示しています。

経済的、社会的条件の違いや、医療アクセスの差が、両国の平均寿命に差異を生んでいる可能性があります。

このように、薬と幸せの関係は複雑であり、単純に「薬が良いか悪いか」という二元論で語ることはできません。

患者さんへのメッセージ

薬と幸せについて考える際には、以下の点を意識しましょう。

  • 薬はあくまでもツール:薬は病気の治療や症状の緩和に役立つツールですが、それ単体で幸せになれるわけではありません。
  • 薬のリスクとベネフィットを理解する:薬には副作用などのリスクがありますが、同時に多くのメリットもあります。医師や薬剤師と相談しながら、リスクとベネフィットを理解した上で薬を使用することが大切です。
  • 自分にとっての幸せを考える:幸せの形は人それぞれです。薬を使うことで生活の質が向上し、より幸せを感じられる人もいれば、薬を使わずに自然な生活を送りたいと考える人もいるでしょう。

最終的には、自分がどうしたいかを判断することが重要です。

当院では、患者さん一人ひとりの価値観や希望を尊重し、最適な治療法を一緒に考えていきます。

薬に関する疑問や不安があれば、遠慮なく医師や薬剤師にご相談ください。

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
資格:医学博士、日本呼吸器学会認定呼吸器専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本喘息学会認定喘息専門医、日本内科学会認定内科医、日本喘息学会認定吸入療法エキスパート

環境省 環境人材認定事業 日本環境管理協会認定環境管理士、漢方コーディネーター、内面美容医学財団公認ファスティングカウンセラー、日本セルフメンテナンス協会認定腸内環境管理士、腸内環境解析士、日本温活協会認定温活士、薬膳調整師、管理健康栄養インストラクター、食育健康アドバイザー、日本園芸協会認定ローズ・コンシェルジュ、ローズソムリエ®(バラ資格)