ドクターショッピングとは?そのリスクと解決方法
皆さんは、「ドクターショッピング」という言葉をご存じですか?
これは、同じ症状や病気について、短期間に複数の医療機関や医師を次々と訪れて診察や治療を受ける行為を指します。
たとえば、3~4回以上、別々の医師にかかることが一般的にドクターショッピングとされます。
1つの医療機関に対する信頼が築けず、適切な治療が見つからないまま医師を頻繁に変えることは、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
今回は、ドクターショッピングがどのような問題を引き起こすのか、そしてどう対処すべきかについてお話しします。
1. 治療の一貫性が失われる
短期間で複数の医師にかかると、それぞれの医師が異なる診断や治療方針を提示することがあります。
これにより治療の一貫性が失われ、どの治療が本当に効果的なのかを判断しにくくなります。
さらに、異なる治療を組み合わせることで、予期せぬ副作用が発生するリスクも高まります。
2. 重複した薬の処方
複数の医療機関を利用することで、同じ薬や似た効果を持つ薬が重複して処方されることがあります。
たとえば、鎮痛剤や抗生物質が2つ以上の医師から出された場合、過剰摂取や副作用が生じる可能性が高まります。
特に、薬の相互作用によって健康に悪影響を及ぼすことがあるため、医師には必ず現在服用中の薬について正確に伝えましょう。
3. 病気の全体像が把握されにくい
ドクターショッピングを行うと、一貫して同じ医師に診てもらうことが難しくなり、病歴や体調の変化を総合的に把握することが難しくなります。
結果として、病気の本当の原因が見逃されてしまったり、誤診が下される可能性もあります。
信頼できる医師に長期的に治療を受けることが、最も効果的な治療を得るための重要な鍵です。
4. 精神的な不安が影響する
ドクターショッピングを行う患者の中には、治療に対する不安や医療者への不信感から、次々と医療機関を変える方がいます。
3~4回以上、別の医療機関を頻繁に訪れる背景には、治療がうまくいかないと感じる焦りや、症状が改善しないことによるストレスがあります。
しかし、このような行動は、適切な治療を見つける妨げになることが多く、逆に自身の健康を損なう結果に繋がることがあります。
5. ドクターショッピングとセカンドオピニオンの違い
セカンドオピニオンとドクターショッピングは似ているようで異なる行動です。
セカンドオピニオンは、主治医の診断や治療方針に疑問を感じた場合、別の医師に意見を求めるための正当なプロセスです。
一方でドクターショッピングは、短期間に複数の医師を渡り歩き、異なる診断や治療を求める行動です。
もし治療に不安がある場合は、まずセカンドオピニオンを積極的に活用し、焦らず適切な診断を受けることが大切です。
6. オンライン診療の影響
最近ではオンライン診療が普及し、手軽に医師に相談できる時代になりました。
これは便利な反面、ドクターショッピングのリスクを高める要因にもなり得ます。
オンライン診療を受ける際にも、過去の診療情報をしっかりと医師に伝え、適切な治療を受けるように心がけましょう。
ドクターショッピングを防ぐために
ドクターショッピングを防ぐためには、まず一人の医師と信頼関係を築き、継続的な治療を受けることが大切です。
医師がしっかりと病歴や体調の変化を把握することで、最適な治療を受けることができます。
もし治療に不安があれば、主治医にその旨を率直に伝えることが重要です。
また、セカンドオピニオンを求める場合も、主治医に相談することで、円滑な診療が進むでしょう。
まとめ
ドクターショッピングは、短期間に3~4回以上別々の医師にかかることで、治療が一貫せず、症状が改善しないだけでなく、健康リスクを増大させる可能性があります。
信頼できる医師と長期的な関係を築くことで、より適切な治療を受け、健康管理を行うことができます。
不安を感じた時は、主治医としっかりコミュニケーションを取り、セカンドオピニオンをうまく活用することで、健やかな生活を送るための助けとなるでしょう。
皆さんの健康が少しでも守られるよう、この情報がお役に立てれば幸いです。
投稿者プロフィール
- 2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。
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