西洋医学の力を再認識する

西洋医学の力を再認識する

こんにちは。やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックの山口裕礼です。


今回は、呼吸器疾患のなかでも「難病」といわれるような病気を例に挙げつつ、あらためて「西洋医学のすごさ」を考えてみたいと思います。

原因が多岐にわたる病気

呼吸器の難病のなかには、原因がはっきりせず、確立された治療法が見つかっていないものも多く存在します。

患者さんのお話を伺うと、食事や生活習慣、ストレス対策などに気を遣っていても、なかなか体調が安定しないことがあります

親御さんから受け継いだ体質や性格、そして環境要因なども大きく影響していることがうかがえます


たとえば、「呼吸が安定している間は咳止め薬で症状をコントロールできるが、薬を止めると間質性肺炎の咳が再発する」という方がいます。

これは単に環境因子の管理だけでなく“親の代からの体質”が関係していることがあります。その患者さんの親御さんも慢性の呼吸器症状を抱えていたようです。

性格的にストレスをためやすい傾向も同じように受け継がれることがあります。このような性格は、呼吸器症状、特に間質性肺炎に関連する咳の管理を複雑にすることがあります。

病気の発症には様々な要因が関与

Information

現代の病気においては、「環境」「食事」「睡眠」「ストレス」「化学物質」などあらゆる要素が指摘されます。

一方で、大気汚染など自分ではどうしようもないことも確かに存在します。

ですから、病気の原因は一つではなく、いろいろな条件が積み重なって起こるものなのです。

西洋医学の標準治療の重要性

西洋医学の強み

一度「病名」がはっきりし、その病気に対する標準的な治療法がある場合は、ある程度画一化された治療を受けられるというのが西洋医学の強みです

原因が遺伝であろうと、環境であろうと、いったん病気の診断がつけば「〇〇の病気にはこの治療」というふうに、治療方針を立てやすい仕組みがあります。


もちろん、西洋医学が万能というわけではありません。

とくに「完治」できない病気のコントロールには時間と根気が必要です。

しかし、体質や性格などを根本的に変えることは、医学以外でも難しいことですから、こうした限界があるのは当然ともいえるでしょう。

大切なのは「完治」が難しい病気でも、少しでも症状を抑える、日常生活を快適にする、病気の進行を抑制するなど、具体的に役立つ方法がきちんとあるということです。

患者にとっての安心材料

病気は複雑な要素が絡み合って発症するため、予防やセルフケアだけで対処しきれないことも多々あります。

食事や生活習慣の改善、ストレスケアなど、自分でできることを続けることは大切です。

しかし、それだけで解決できない場合、最新の医療技術や標準治療の恩恵を受けることは大きな力になります。

西洋医学は、原因が何であれ、診断がつけば「この病気にはこの治療法」と道筋を示してくれます

性格や体質を変えられなくても、症状を緩和し、日常生活をサポートする具体的な方法があるのは心強いことです。

治せない病気を抱えていても、「支えてくれる治療法がある」という事実は、患者さんにとって大きな安心材料になるのではないでしょうか。


今後も当クリニックでは、西洋医学をベースにしつつ、患者さん一人ひとりの体質や生活背景を尊重した診療を心がけてまいります。

何か気になる症状やご質問があれば、遠慮なくご相談ください。


やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニック
山口 裕礼

投稿者プロフィール

院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
院長:山口裕礼(やまぐちひろみち)
2017年1月、希望が丘(神奈川県横浜市)にて、やまぐち呼吸器内科・皮膚科クリニックを開院しました。